大統領批判落書き射殺事件 射殺前に拷問か カラパタンが人権委員会に調査を要求

【写真】殺害現場。ドゥテルテ大統領を批判する落書きは「DUTERTE IBAGSAK(ドゥテルテをぶっつぶせ)」だったとみられる=ルソン島アルバイ州/via Karapatan Manila on Facebook at 3:50 pm, July 27, 2021

【6日=東京】ルソン島アルバイ州機動部隊が7月26日に同州のバナオ橋でドゥテルテ大統領を批判する落書きをしていた2人のアクティビストを銃で殺害した事件で、殺害された2人のうち少なくとも1人が射殺前に拷問を受けていた可能性があることがわかった。人権監視NGOカラパタンが4日に発表した声明で明らかにした。カラパタンは同日、フィリピン人権委員会に対し、2人の殺害について独立した調査を求める声明を発表した。

 殺害されたのは、農民組織OMA(Organisasyon ng mga Magsasaka sa Albay)とマーロン・ナペリさん(38)とカラパタン系の組織(Albay People’s Organization)のジェマール・パレロさん(22)。2人の殺害はドゥテルテ大統領は最後の施政方針演説(SONA)を行なった日に発生したことから、人権擁護団体からはドゥテルテ大統領の強権的な政治手法を象徴する事件だとして批判が上がっていた。ドゥテルテ大統領は施政方針演説で「私の国を破壊する者は、私が殺す。そして、私たちの国の若者を破壊する者は、私が殺す(I will kill you)」と語っていた。

 カラパタンの調査では、パレロさんには3発の銃創があり、そのうち1発は背中に、1発は体を貫通していたという。別の1発の銃槍は右手にあった。右目は黒くなっていた。殴打されてできた跡とみられる。左足には釘のようなものが打ち込まれて抜かれた跡が3ヶ所あったという。カラパタンは射殺される前に拷問を受けていた可能性があると主張している。また、ナペリさんの体には背中に2発の銃創があったという。

 カラパタンは声明で「殺害を止め、ドゥテルテ大統領が起訴されることによって真の正義がもたらされる」と訴えた。

〈Source〉
Karapatan Presses CHR to Investigate Killings of Albay Activists, Reiterates Call to Stop the Killings in PH, Karapatan, August 4, 2021.

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