【人権侵害タイムライン】
2023年7月17日~7月23日

【写真】(左)2023年7月14日、レイテ島パストラーナで取材中のジャーナリストが私服警官に取り押さえられているところ/via Facebook page of National Union of Journalists of the Philippines, July 15, 2023., AMLC freezes assets, bank accounts of Cordillera activists, Rappler, July 17, 2023., Karapatan: Stop the bombings in rural communities!, KARAPATAN, July 17, 2023.

労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。


◆2023年7月17日(月)

人権擁護団体カラパタンは、国軍が対反乱作戦の中で実行している農村地域への爆撃について糾弾した。

マルコス政権で最悪の爆撃は、2022年10月6日と8日に国軍第94歩兵大隊が西へグロス州ヒママイラン市で実行した作戦で、同市人口の14%、約1万5000人が非難を余儀なくされた。

カラパタンによれば、前ドゥテルテ政権下、フィリピンの36州(全州の44%)で爆撃が実行され、国軍の空爆と砲撃により少なくとも民間人10人が死亡した。

上記ヒママイラン市は、2023年6月30日にファウスト家4人(未成年者を含む)が虐殺された地である。

Karapatan: Stop the bombings in rural communities!, KARAPATAN, July 17, 2023.

【補足】ファウスト家虐殺については以下など。
Philippine farmer killings revive dark memories of martial law, Aljazeera, July 14, 2023.


◆2023年7月17日(月)

反マネーロンダリング評議会(AMLC)は、テロリストのレッテルを貼られた4人のコルディリエラ活動家の資産と銀行口座を凍結する命令を出した。

AMLC freezes assets, bank accounts of Cordillera activists, Rappler, July 17, 2023.

【補足】4人のコルディリエラ活動家を含む6人へのテロリスト指定に関して、以下など。
Gov’t designates as terrorists 4 Cordillera IP activists, Philstar.com, July 11, 2023.


◆2023年7月20日(木)

国際刑事裁判所(ICC)の検察官は、ICC予審裁判部に逮捕状の発行を申請できるようになった。

ICC can now issue arrest warrants over drug deaths, The Philippine Star, July 20, 2023.


◆2023年7月20日(木)

最高裁は、暴君フェルディナンド・マルコスシニア元大統領らに対する10億5000万ペソに上る不正蓄財事件の一つを棄却した公務員弾劾裁判所の決定を支持した。

SC upholds junking of P1.05-B Marcos ill-gotten wealth case, Rappler, July 20, 2023.


◆2023年7月21日(金)

国家警察に勾留されているフォトジャーナリストのレネ・ジョシュア・アビアド待ち伏せ銃撃事件の容疑者エドゥアルド・レガスピ2世とジョマリ・デ・ラ・クルスが、殺人と殺人未遂で起訴された。

2 suspects in Abiad ambush charged, The Philippine Star, July 21, 2023.


◆2023年7月21日(金)

3人の地元ジャーナリストが、レイテ島パストラーナ町で土地紛争の取材をしていた3人に対して嫌がらせと脅迫をしたとして、9人の警官を告訴した。

Journalists file complaint vs 9 cops in Leyte, Rappler, July 22, 2023.


◆2023年7月21日(金)

故ロエル・デガモ東ネグロス州知事の殺害容疑に問われている11人が、起訴を却下するよう改めて訴えた。11人は、逮捕は「違法」であり、自白は強要されたものであると主張。

11 Degamo suspects want charges quashed, The Philippine Star, July 21, 2023.


◆2023年7月21日(金)

司法省の検察審査会は、2021年3月に発生した「血の日曜日」におけるエヴァンジェリスタ夫妻殺害の罪に問われていた警官らに対する告訴の破棄を支持した。

※「血の日曜日」:2021年3月7日(日)、南部ルソン島で一斉に実施された家宅捜索において、活動家9人が殺害された。

DOJ affirms dismissal of complaint vs cops accused of killing activist couple, Rappler, July 21, 2023.


◆2023年7月21日(金)

オンブズマン事務所は、ドラッグ戦争において市民を殺害した罪に問われていた警察官4人への告発を破棄した。

Ombudsman junks criminal, admin cases filed by drug war survivor vs cops, Rappler, July 21, 2023.


◆2023年7月22日(土)

国家警察が、マルコス大統領の施政方針演説に関する抗議行動を阻止した。

Groups condemn Cavite PNP for blocking delegates to upcoming 2023 SONA protest, Philstar.com, July 22, 2023.


◆2023年7月22日(土)

全国砂糖労働者連盟は、全国農業労働者連盟と共に、2023年7月20日、バヤン(革新的愛国者同盟)のキャロル・P・アラウロ名誉議長が、赤タグ付けをしたロレイン・マリー・T・バドイ=パルトサとジェフリー・M・セレスに対し損害賠償を求める民事訴訟を起こしたことを称賛した。

Press statement-NFSWRED-TAGGED SUGAR WORKERS LAUD BAYAN CHAIR’S LAWSUIT VS REDTAGGERS BADOY-PARTOSA, CELIZ, Facebook page of UMA, July 21, 2023.


◆2023年7月22日(土)

マルコス大統領は、2019年以降国際刑事裁判所(ICC)の加盟国ではなくなったフィリピンはICCの管轄下にないこと、ICCに協力するつもりはないこと、ICCの捜査管轄権に疑問を持ち続けることなどを主張した。

President Marcos: We’re done with ICC, The Philippine Star, July 21, 2023.

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