労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年3月 14日(火)
3月13日に予定されていた労働者のリーダーで活動家エリザベス・「マグス」・カモラルの審理が、4月10日に延期された。遅れたことを受け、支援者らが司法省に対し、「直ちに行動を起こす」よう強く求めた。
カモラルは、すでに2年以上、審理が開かれることを待っていた。審理の延期は、今回で3度めだ。
Arrested Laguna activists, supporters urge DOJ to ‘take immediate action’ after delays in hearings, BULATLAT, March 14, 2023.
◆2023年3月14日(火)
人権団体カラパタンは、3月15日に、リサール州ロドリゲス町1K2カシグラン村の住民が降伏書に署名させられたことを非難した。
住民約400人は、3月12日、村役場当局から無料住宅プログラムについて話があると呼び出され、「NPAの投降者である」と書かれた書類に署名させられた。
Press Release:Karapatan slams fake surrenders in Rizal, bombings in Kalinga, Karapatan, March 14, 2023.
◆2023年3月14日(火)
フィリピン国家警察は、包括的銃器・弾薬規制法違反の疑いで、東ネグロス州第3地区選出のアーノルフォ・「アーニー」・テヴェス(以下、テヴェス)下院議員の秘書とその他5人に対して告訴状を提出した。
現在、治療のために米国に滞在中の同議員は、マーティン・ロマルデス下院議長に対してさらに2か月の議会休暇を要請する手紙を提出した。治療のための渡航許可は、2月28日から3月9日まで。
Complaints filed vs Arnie Teves’ secretary, others arrested in raids, Rappler, March 14, 2023.
Embattled Teves seeks 2-month leave from House due to ‘safety risks’, Rappler, March 16, 2023.
◆2023年3月14日(火)
地方共産党の武装闘争を終わらせるための国家タスクフォース(NTF-ELCAC)は、下院に対し、人権擁護者法案を破棄するよう求めた。同法案の成立は、政府が共産主義テロ集団と呼んでいる共産党軍事部門新人民軍(NPA)とその支持者を保護することになるという。
NTF-ELCAC hits human rights defenders bill, The Philippine Star, March 14, 2023.
◆2023年3月15日(水)
人権擁護団体カラパタンが、村々の軍事化について声明を出した。声明の中でカラパタンのパラバイ事務局長は、「遠隔地にある多くの村がすでに事実上の戒厳令下にある中、私たちは今、中心部の村に忍び寄る軍事化を体感している」と述べた。
3月14日朝、マニラ首都圏から1時間足らずのバタンガス州セント・トマスのサン・イシドロ・スル村で、第59歩兵部隊が住民の個人情報をプロファイリングしている。サン・イシドロ・スル住民協会会長は、国軍によって無断で写真を撮られた。
同協会は、住民がまともな住宅を持つ権利を訴えてきた。
Press Release:Karapatan raises alarm over militarization of barangays, Karapatan, March 15, 2023.
フィリピン国家警察犯罪捜査班は、テヴェス下院議員の息子2人を銃器および爆発物不法所持の容疑で告訴した。
Rep. Teves, 2 sons face criminal raps over loose firearms, explosives, Philstar.com, March 15, 2023.
◆2023年3月16日(木)
フィリピン政府は国際刑事裁判所に対し、3月13日、ドゥテルテ政権のドラッグ戦争に関する調査再開を撤回するよう正式に求めた。
PH formally asks ICC not to reopen drug war probe, INQUIRER. NET, March 16, 2023.
◆2023年3月16日(木)
ルセナ市地域第一審裁判所は、青年活動家アレクサンドレア・パカルダに対し、包括的銃器・弾薬規制法違反で8年から9年の懲役を科した。
また、パカルダは、「爆発物に関する法律」違反でも有罪となり、「永久追放」(20年から40年の禁固刑)の罰則が課された。
人権擁護団体カラパタンは、パカルダはキャンパス・ジャーナリストであり、女性団体ガブリエラのメンバーであると主張した。しかし、フィリピン国軍は、ゲリラキャンプでNPAとされる人たちと一緒にパカルだがライフルを持っている写真とビデオを提示した。
Youth activist in Quezon found guilty of illegal possessio of firearm, explosive, INQUIRER. NET, March 16, 2023.
◆2023年3月17日(金)
ガブリエラ女性党が、メンバーが受けたハラスメントについて声明を出した。
3月15日、和平プロセスに関する大統領補佐官事務所(OPAPP)のメンバーと名乗る人物が、ガブリエラ・マリキナ支部長のエリザベス・メイニゴを強制的に車に乗せ、他のメンバーの活動を詳しく説明するよう強要した。
Female community organizer reports threats by alleged OPAPP members, philstar, March 17, 2023.