戒厳令資料館、トニ・ゴンザガのトークショーはマルコス政権による残虐行為の隠ぺい

【写真】トニ・トークで対談する女優トニ・ゴンザガ(右)とマルコス元大統領の息子ボンボン・マルコス/via The Greatest Lesson Bongbong Marcos Learned From His Father | Toni Talks posted at YouTube

【22日=東京】2021年9月13日、女優トニ・ゴンザガによるフェルディナンド・マルコス元大統領の息子フェルディナンド・“ボンボン”・マルコス・ジュニア元上院議員へのインタビューが、YouTubeにアップロードされた。歴史的事実を白紙にしようとするマルコス一族の企みに加担しているとして、アテネオ大学戒厳令資料館がゴンザガの行為を批判するなど、インタビューは物議を醸している。

― ゴンザガは残虐行為を白紙にしたいマルコス一族の企てに加担

 ゴンザガが司会を務めるトークショーに“ボンボン”・マルコスが招かれ、そのインタビューがボンボン・マルコスの誕生日に合わせてYouTubeにアップロードされた。動画には、「ボンボン・マルコスが父から学んだ最も偉大な教訓」というタイトルがつけられている。2021年9月21日21:00の時点で608万回以上視聴されており、57万回の「Like=いいね」、5万9000回の「Dislike=嫌い」を獲得している。

 アテネオ大学戒厳令資料館は、2021年9月15日、ゴンザガあての書簡を公開した。書簡には、ボンボン・マルコスへのインタビューは誰の利益にもならないこと、マルコス政権の残虐行為による被害者の闘いや国民の間に横行する歴史修正主義に対抗する活動を後退させること、また、マルコス元大統領に対するネガティブなイメージを変えようとする一族の企てに貢献しているといった問題が提起された。

― ボンボン・マルコス「嘘に辟易している」と発言

 インタビューでのボンボン・マルコスの発言の中で特に注目すべきことは、同氏がマルコス一族にまつわる「嘘」に辟易していると述べたことだ。人びとが真実だと主張していることはすでに事実ではないと証明されているにもかかわらず、人びとはまだ怪しいと主張し続けているというのである。

 だがこれまでに、マルコス元大統領やその一族の不正蓄財や人権侵害は明らかにされてきた。フィリピン・ニュースサイト・ラップラーによれば、1995年にハワイの連邦地裁で行われた集団訴訟において、裁判所は、マルコス家に戒厳令の犠牲者9539人に対し、19億6000万ドルを支払うよう命じた。翌1996年の控訴審で、米国第9巡回区控訴裁判所はハワイ連邦地裁判決を支持した。

 さらに、スイス連邦最高裁判所が、スイスの銀行にあるマルコス家のすべての口座を凍結し、1990年12月、約3億5600万ドル相当の資産をフィリピンに譲渡することを認める判決を下した。その7年後、裁判所は、これらの資金が犯罪から得られたものであると認めた。

 アテネオ大学戒厳令資料館などは、ゴンザガを批判しただけでなく、戒厳令下の犠牲者へのインタビューを実施するようゴンサガに対し提案したが、現在までにゴンザガからの回答はない。  

 昨日21日は、マルコス元大統領が戒厳令を布告してから49回めの記念日だった。

〈Source〉
After backlash over Marcos interview, Toni Gonzaga urged to speak to martial law victims, CNN Philippine, September 16, 2021.
‘Attempt at whitewashing?’ Martial Law Museum slams Toni Gonzaga over Marcos interview, INQUIRER NET., September 15, 2021.
LIST: Bongbong Marcos’ false claims about Martial Law on ‘Toni Talks’, Rappler, September 18, 2021.
Open Letter to Toni Gonzaga, FB page of Martial Law Museum, September 15, 2021.

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