ジャーナリストが銃で撃たれ死亡 セブのラジオ局付近で

【写真】殺害されたレナンテ・コルテスさん/フィリピン国家警察のホームページから

【27日=東京】22日午前9時頃、セブ島のセブ市マンバリンのN.バカルソ通りで、ジャーナリストのレナンテ・コルテスさん(45)がオートバイに乗った何者かに銃で胸を撃たれた。コルテスさんは近くのセブ・シティ・メディカル・センターに運ばれたが、約1時間後に死亡した。国境なき記者団(RSF、本部・パリ)やジャーナリスト保護委員会(CPJ、本部・ニューヨーク)はフィリピン政府側に事件の究明を求める声明を発表した。

 現地の報道などによると、コルテスさんはセブ市にある地域ラジオ局DYRBでのラジオ番組を終え、同局を出た直後に何者かによって撃たれた。

 詳細は不明だが、セブ市議会議員はコルテスさんは辛辣なラジオコメンテーターとして知られていたと語った。セブ市警の幹部もコルテスさんがラジオのコメンテーターとして政治家と対立することが多かったことを認めている。6月21日には正体不明の2人がラジオ局を訪れ、コルテスさんのスケジュールについて問い合わせていたという。

 フィリピンの放送業界では「ブロックタイマー」と呼ばれる人がいて、テレビやラジオの時間を「ブロック」単位で購入してスポンサーになる個人のことを指す。自由な論評が可能だ。コルテスさんはDYRBの「ブロックタイマー」だった。メディアセキュリティに関する大統領タスクフォース(PTFoMS)の幹部は選挙絡みでの殺害の可能性を示唆した。「 歴史的にも、選挙が盛り上がってくると、特に地方レベルでブロックタイマーに対する選挙関連の暴力が急増する 」という。来年には大統領選も控え、すでに各党の候補者選びは熱を帯びている。

 フィリピン・ジャーナリスト連合(NUJP)によると、2020年以降、ジャーナリストへの攻撃が急増している。名誉毀損で訴えられたのが20件、脅迫が22件、殺害も4件あった。今年5月には、パナイ島のカピス州ロハス市で、ジャーナリストのジョン・ヘレディアさん(54)が殺害された。

─「独立した調査を」「不処罰の文化を非難する」

 国境なき記者団はフィリピン政府に対して「コルテス氏の死を取り巻く状況がジャーナリストとしての仕事と関連していると思われることから、独立した調査を命じることを求める」、ジャーナリスト保護委員会は「フィリピン当局は、殺害事件について迅速かつ徹底的な調査を行い、責任者を法で裁くべきである」との声明をそれぞれ出した。

 フィリピン・ジャーナリスト連合は声明で「社会の監視役としての義務を果たしているだけでジャーナリストやメディア関係者への攻撃は増加の一途をたどっている。私たちはさらに、加害者がこれらの犯罪を犯すことを助長する不処罰の文化を非難する」としている。

〈Source〉
Commentator gunned down outside radio station in central Philippines, Reporters Without Borders (RFS), July 22, 2021.
Masked Gunmen Kill Capiz Town Administrator, The inquire, May 2, 2021.
PNP orders probe into Cebu radio commentator’s killing, CNN Philippines, July 22, 2021.
Police look into job-related motive for killing of Cebu radio commentator, Rappler, July 22, 2021.
PTFoMS Orders Thorough Probe on Blocktimer’s Death, Presidential Task Force on Media SecurityJuly 22, 2021.
Radio journalist Renante ‘Rey’ Cortes shot and killed in the Philippines, The Committee to Protect Journalists (CPJ), July 23, 2021.
STATEMENT: On the killing of radio commentator Rey Cortes, The National Union of Journalists of the Philippines-Cebu chapter (NUJP Cebu), July 22, 2021.
ホセ・ハイメ・エスピナ, 2021, 「19人のジャーナリストが殺害 増加する『自己規制』」『世界』岩波書店, 944: 266.

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