ドゥテルテ元大統領の殺害関与発言／特別休日リストから削除されたエドサ革命／デ・リマ最後の判決に追い風
ドゥテルテ元大統領の超法規的殺害資金供与
― 口をすべらすドゥテルテ
10月10日、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領は、大統領時代の強力な支持者であり、新興宗教「イエスキリストの王国」教祖でもあるアポロ・キボロイの所有する放送局SMNIのYouTubeニュースに出演し、彼の娘であるサラ・ドゥテルテ副大統領の来年度の機密費が予算再編成作業の結果失われたことについてインタビューを受けた。インタビューの際、ドゥテルテ前大統領は、ダバオ市長時代からドラッグ密売者殺害のため「ダバオ死の部隊(Davao Death Squad: DDS)」に機密費から支払っていたことを明言した。「彼ら全員（ドラッグ密売人）を殺害した。だからダバオはこのよう（ドラッグ密売者がいなくなり平和）になったのだ。私が本当に殺させたのだ。それが真実だ」と語ったのである。
― 削除された動画は既に拡散
この動画は、12日にSMNIのYouTubeチャンネルにて公開された後、削除された。しかし、動画は既に多くの人たちによって拡散・共有されていた。
ドゥテルテ前大統領が超法規的殺人に資金提供したことを認めた証拠であるとして、マグダロ・グループは、ダバオ現市長に対して、マルコス大統領を説得して、国際刑事裁判所（ICC）に前大統領に対する捜査を進めるよう説得すべきだと述べた。前上院議員であるアントニオ・トリアネス・Ⅳに率いられたマグダロ・グループは、2017年にICC訴訟を起こした最初の団体であり、これまでにも多くの証拠を資料として集めている。
特別休日リストから削除されたエドサ革命
― リストからの排除
10月13日、大統領府は2024年の祝日および特別休業日を発表したが、そこには、ピープルパワーによってマルコス・シニア大統領をフィリピンから追い出すことに成功した2月25日の出来事を記念するEDSAピープルパワー革命記念日が記載されていなかった。この決定は、その2日前に出されたルーカス・ベルサミン行政長官の署名による布告第368号に基づく。
一方、中国旧正月およびクリスマス・イブが特別休業日として新たに付け加えられた。
― 言い訳と批判
大統領府は、13日、特別休日か否かに関係なく「EDSAピープルパワー革命記念日を尊重する」と表明、さらに、（2024年）2月25日が日曜日にあたるため、特別休日とする効果が小さいことが特別休業日から外す理由であると説明した。
マルコス大統領による父マルコス・シニア元大統領の独裁政治とその被害の「白紙化」が進められたことに対して、国内外から多くの批判の声が上がっている。
マルコス・シニアの支配に関連する文書や物語をデジタル化している団体、プロジェクト・グニタは、「フェルディナンド・マルコス・シニアの残忍な独裁の歴史を白紙に戻そうとする、国家主導のもう一つの試み」と非難した。
また、人件擁護団体カラパタンはフランスの通信社に対し、その削除はマルコス政権が「正義、真実、説明責任を追求する意義ある社会的行動」を蔑ろにしていることを示していると述べた。
デ・リマ最後の判決に追い風
― 土壇場での証言撤回
10月16日、さらに2人の証人が、レイラ・デ・リマ元上院議員に対する違法ドラッグ取引罪の共謀に関する証言を撤回した。新たな証言撤回は、デ・リマに残された最後の裁判所の判決に大きな影響を与えるものと推測される。この最終判決により、ドゥテルテ前大統領の一徹な批判者が7年の勾留を経て無罪釈放されるのか、それとも無期限に留置されることになるのかを決定することとなる。
― 証言撤回者からの手紙
検察は同日、誘拐罪で有罪判決を受けた元警官ロドルフォ・マグレオを証人台に立たせる予定だったが、モンテンルパ地方裁判所（RTC）での審理が始まる前に、彼はデ・リマを訪れ、自分たちの罪（マグレオとノニロ・アリルが偽証でデ・リマを陥れようとしたこと）を説明・謝罪する手書きの手紙を彼女に手渡した。
「私たちは２人とも、早ければ2018年に（証言を）撤回する予定でしたが、通信手段がなかったため撤回することができませんでした。 私たちは良心の呵責に悩まされています。 私たちは、あなたが誤審の被害者になることを望んでいません。私たちは、近いうちに（偽証の事実を）明らかにします。 最後の訴訟は棄却されることを皆さんに保証します」と、マグレオとアリルの署名入りの1ページの書簡に書かれていた。
〈Source〉
2 more witnesses recant testimonies vs De Lima, Inquirer, October 17, 2023.
2 more witnesses recant in De Lima’s last case, Rappler, October 16, 2023.
‘Continuing distortion’: Lawmaker, groups slam removal of EDSA in PH holidays, Rappler, October 14, 2023.
Palace explains why Feb. 25 not in 2024 holidays list, ABS-CBN, October 13, 2023.
Rodrigo Duterte remark he funded Davao slays sent to ICC, Inquirer, October 17, 2023.
