労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年2月27日(火)
国家人権委員会は国家警察に対し、西ネグロス州サンカルロス市の拘置所で2月13日に発生したペルティニサ・ジェレウラ・チャリタの逮捕について調査するよう要請した。
ペルティニサは、2019年以来勾留されている夫のレオン・チャリタの面会の際に、逮捕された。レオンは、全国砂糖労働者連盟のメンバー。
CHR asks PNP to probe ‘tanim baril’ vs wife visiting jailed husband in Negros Occidental, MANILA BULLETIN, February 27, 2024.
◆2024年2月29日(木)
国家人権委員会は、2月23日にバタンガス州で発生したホセ・マリー・エスティリア拉致事件について調査している。
ホセ・マリーは、女性の権利の擁護団体のリーダーで、元政治囚のジーン・エスティリアの兄である。
CHR probes kidnapping of activist’s brother, Philstar.com, February 29, 2024.
◆2024年3月4日(日)
人権団体カラパタンの中央ビサヤ支部は、2018年3月4日に東ネグロス州マビナイ市で逮捕された6人(マビナイ6)に対する告発を取り下げ、即刻釈放するよう要求する呼びかけに賛同した。
ネグロス島、セブ島、ボホール島には154人の政治囚が拘束されている。
Karapatan Central Visayas echoes the urgent call to drop all charges against Mabinay 6 and to demand their immediate release!, Facebook page of Karapatan – Central Visayas, March 4, 2024.
【関連記事】
勾留中のマイルス シリマン大学ロースクールに合格!電子通信不許可が入学を阻む,SAC, 2021年9月12日.
【コラム】マビナイ6の裁判にまた遅延、勾留3年11ヶ月、いまだ判決出ず, SAC, 2022年2月14日.
◆2024年3月5日(月)
環境保護団体NILADのパコ・ペレスが、4日午前9時、不審な携帯電話メッセージを受け取った。首都圏警察が逮捕状を発行すること、「投降」するようにとの指示が書かれていた。
調査の結果、送信元電話番号は国家警察の番号だった。
ALERT!, Facebook page of Environmental Defenders Congress, March 5, 2024.
◆2024年3月5日(火)
1週間ほどの間に2回の爆撃が行われた。
2月21日、西ネグロス州エスカランテ市で、約10個の爆弾が投下された。300世帯が避難を余儀なくされ、9つの村で授業が停止された。ネグロス人権団体(HRAN)は、この作戦はジュネーブ条約第1議定書において禁止されるものと非難している。
国軍第79歩兵大隊は、フィリピン共産党軍事部門新人民軍新人民軍(NPA)との遭遇戦のあとに実行したと述べた。だが、NPAは、遭遇戦の存在を否定している。
また、2月28日午前3時、パナイ島のサンホアキン町で、国軍第61歩兵大隊が爆撃を実行した。戦闘機が目撃され、住民は爆発音と地響きを知覚している。193世帯が被害を受けた。
SERIES OF MILITARY BOMBING CAUSES FEAR AND DESTRUCTION IN THE COMMUNITIES OF ESCALANTE, NEGROS OCCIDENTAL AND SAN JOAQUIN, ILOILO, Panay Today, March 5, 2024.
◆2024年3月6日(水)
2019年11月1日に西ネグロス州エスカランテ市の自宅で逮捕された全国砂糖労働者連盟(NFSW)のリーダー リンディ・ペロッチョへの告訴が棄却され、本日(2024年3月6日)、釈放された。
リンディは、2019年10月31日と11月1日に国軍と国家警察の合同部隊が実行した一斉家宅捜索「ネグロス弾圧」の際に逮捕された57人のうちの一人である。
Facebook page of Human Rights Advocates Negros, March 6, 2024.