勾留中のマイルス シリマン大学ロースクールに合格!電子通信不許可が入学を阻む

【写真】マイルス・アルバシン氏/via Facebook page of Marley Albasin (posted on September 11, 2021)

【13日=東京】2021年9月5日、マイルス・アルバシンのきょうだいマーリーが、勾留中のマイルスがネグロス島のシリマン大学ロースクールに合格したが、オンライン授業に必要な機器やインターネットの使用が許可されず入学の見通しが立たない、とフェイスブックに投稿した。マイルスは、銃器と爆発物不法所持の容疑で2018年3月3日に逮捕されて以来、一度も公判が開かれないまま3年半にわたり勾留されている。

― 弁護士への道に何度も立ちはだかる壁

 マイルスは、逮捕された時、ロースクールへの進学を志していた。マイルスの母グレースによれば、マイルスはフィリピン大学セブ校を卒業した2017年に、隔年で実施されるフィリピン法科大学院入学試験(PhiLSAT)に合格していた。これは、法律を志す受験者の学力を測るために実施される全国規模の適性試験だ。

 勾留されたあと、マイルスは、カガヤン・デ・オロにあるザビエル大学ロースクールから、学費免除の「特待生」として受け入れるという申し出を受けた。ザビエル大学が、「他者のためにある」という学校の理想を体現したとしてマイルスに授与したのだと、グレースは言った。だが、保釈を申し立てたが認められず、ザビエル大学ロースクールへの入学は叶わなかった。保釈の申し立ては、グレースによれば、2021年3月に棄却された。

 マイルスは弁護士への道を諦めなかった。2021年、マイルスの母グレースは本人に代わり、2017年に合格したフィリピン法科大学院入学試験の結果と必要書類をシリマン大学ロースクールへ提出した。そして2021年7月27日、マイルスに、シリマン大学ロースクールへの合格が通知された。シリマン大学ロースクールは、マイルスに、拘置所からオンラインで授業に参加することを認めている。

 再度つかんだチャンだが、マイルスはオンライン授業に必要な電子通信の使用許可を得られずにいる。電子通信の利用許可を求めるマイルスの請願は、8月3日に却下されたのである。フィリピンでは、アジアでも初めてと言われる、拘置所内における大学教育を推進している。グレースは、先例を踏襲すべき、3年半もの間公判も開かれずに勾留されていることを考慮すべきであると訴えている。 現在、グレースは、第7地域監獄管理・刑務局(BJMP)に対してマイルスの要請への再考を求めており、今週中に、当局へ是非を確認する予定だ。

― 公判も開かれないまま3年半の勾留、さらにあと2~3年

 ことの発端は2018年3月3日午前2時半、ネグロス島のマビナイ市ルヤング村で、マイルスと他5人が、銃器と爆発物不法所持の容疑で国軍によって逮捕されたことから始まる。マビナイで逮捕されたことから、6人は「マビナイ6」と呼ばれている。逮捕された6人のうち4人は未成年者だった。

 マイルスらの事件は、ネグロス島バイス市の地方裁判所からドゥマゲテ市の地方裁判所に移された。そのため、あと2~3年は勾留されると想定されている。

 2021年10月8日、マイルスらの予審が開かれる予定だ。

― 食い違う言い分

 国軍は、武装集団に自動小銃で銃撃され5分ほど打ち合いとなり、投降するという声の後に現れた共産党軍事部門新人民軍(NPA)と疑われる6人を逮捕した、と主張した。

 だが、マイルスが母親のグレースに伝えた話によれば、6人はマビナイ市の丘の上にある空き家で眠っていた。すると家に石が投げ込まれ、続いて家に入ってきた国軍に逮捕された。

 国軍は、銃撃戦のあとに6人を逮捕したと主張したが、銃器を撃った痕跡を調べるパラフィンテストは6人とも陰性だった。

― つぎつぎ起こる一斉逮捕

 マビナイ6は、その後に続く一斉逮捕の皮切りだったと言われる。

 たとえばネグロス島では、2018年12月27日ギフルガン市を中心に、国軍と国家警察の合同部隊が6人を殺害し31人を逮捕した。2019年3月30日カンラオン市を中心に、同じく合同部隊が14人を殺害し14人を逮捕した。2019年9月18日エスカランテ市で、文化活動家ら9人が車で移動中に制止され、乗っていた車両から銃器などが発見されたとして逮捕された。2019年10月31日バコロド市でも、団体事務所等4か所から55人が一斉に逮捕された。  

 マイルスらの事件を担当していた人権派弁護士ベン・ラモスは、2018年11月6日に殺害された。

〈Sauce〉
College education behind bars, INQUIRER.NET, August 13, 2017.
Editorial: Free Myles Albasin, Sunstar, September 7, 2021.
In Negros Oriental: 14 ‘rebels’ dead, Philippine News Agency, philstar, March 31, 2019.
Mabinay 6: Youth activists now ‘targets of government crackdown’, Rappler, March 31, 2018.
Ma’s appeal: Allow Myles Albasin access to gadgets for Silliman University tests, Rappler, September 7, 2021.

美しい国フィリピンの「悪夢」

フィリピン政府が行っている合法的な殺人とは?

詳しく見る

最新情報をチェックしよう!
>ひとりの微力が大きな力になる。

ひとりの微力が大きな力になる。


一人ひとりの力は小さいかもしれないけれど、
たくさんの力が集まればきっと世界は変えられる。
あなたも世界を変える一員として
私たちに力を貸していただけないでしょうか?

Painting:Maria Sol Taule, Human Rights Lawyer and Visual Artist

寄付する