労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年2月5日(月)
フィリピン国軍第9歩兵師団(9ID)広報室長のフランク・ロルダン少佐は、第2歩兵大隊が、マスバテ州カワヤンで10人の共産党軍事部門新人民軍(NPA)と遭遇戦になり、8分間の銃撃戦の末NPAメンバーのフロレンシア・イゴット・レガラとペドロ・レガラを殺害したと述べた。
※2月10日、人権擁護団体カラパタンは、上記の国軍による主張を否定している。(後述した2月10日のカラパタンの記事を参照してください)
2 NPA rebels killed in Masbate clash with gov’t troops, Philippine News Agency, February 5, 2024.
◆2024年2月7日(水)
メディア団体オルタナメディア・ネットワークやフィリピン全国ジャーナリスト組合(NUJP)などが司法省(DOJ)を訪れ、草の根ジャーナリストのフレンチ―・メイ・クンピオや人権擁護活動家のアレクサンダー・アビングナ、マリー・ドメキルらの即時釈放を求めた。
クンピオらは4年前に、一斉家宅捜査の際に逮捕された。
Media groups urge DOJ to release journalist Frenchie Mae Cumpio, 2 others, BULATLAT, February 7, 2024.
◆2024年2月9日(金)
マニラ裁判所は、アルノルフォ・「アーニー」・テヴェス・ジュニア元下院議員のパスポートの即時抹消を命じた。
テヴェス元下院議員は、2023年3月のロエル・デガモ東ネグロス州知事殺害事件の首謀者とされている。
Manila court orders cancellation of Arnie Teves’ passport, Rappler, February 9, 2024.
◆2024年2月10日(土)
人権擁護団体カラパタンによれば、2月5日に国軍が遭遇戦において殺害したというペドロ・レガラ(78歳)と妻のフロレンシア・レガラ(67歳)は、同日の朝、マスバテ州カワヤンの自宅から国軍第2歩兵大隊(IBPA)所属の兵士と準軍事組織のメンバーによって力ずくで人里離れた場所へ連れ去られ、射殺された。
カラパタンは、老夫婦の殺害に憤りを表明し、国軍による「2人を遭遇戦で殺害した」という虚偽の報告や証拠品の捏造などを非難した。
Killing of elderly couple in Masbate testament to the murderous reign of Marcos Jr. regime, AFP – KARAPATAN, Karapatan, February 10, 2024.