【29日=東京】2016年の大統領選でドゥテルテ氏のSNS戦略を担当したニカノール・ガブナダ・ジュニア氏が、財務省の広報戦略のコンサルタントとして雇用されることがわかった。フェイスブックにドゥテルテ大統領を支持する大量の偽アカウントを作成され、フェイスブック社が2019年3月にそのアカウントを停止したが、ガブナダ氏はこの偽アカウントを使ったSNS戦略の首謀者とされている。フィリピンの英字メディア、フィルスターが21日に「財務省がフェイスブックの偽アカウント事件の首謀者を雇用」との見出しで報じ、ガブナダ氏の適格性に疑問が出ている。
─ 半年で207万円
報道によると、ガブナダ・ジュニア氏の雇用期間は、6月16日から12月15日までの6ヶ月で、契約料は90万9122ペソ(約207万円、1ペソ=2.28円)。マルチメディアを使った広報戦略の計画、発信機能の強化、キャンペーンに対する国民からの反応の評価などの分野を担当する。
─ 2019年には偽アカウントで「対立候補を攻撃」
問題の2019年の偽アカウント事件では、フェイスブックブック社の調査によると、この偽アカウントを運用するために、ガブナダ氏と同氏が率いるチームは少なくとも300万ペソ近くを使った。この大量のアカウントは、中間選挙を前にして、ドゥテルテ政権派の候補に有利になる投稿をし、反対に野党の対立候補を攻撃するために使用されていたという。
ガブナダ氏は2016年の大統領選でもSNSを使ったキャンペーンを展開し、ドゥテルテ氏の初当選に大きく貢献したとされている。
─「不適切な点は何もない」
ガブナダ氏の弁護団は21日に「不適切な点は何もない」との声明を発表した。
〈Source〉
DOF hires ‘fake’ Facebook account operator, Philstar, June 21, 2021.
DOF hires Nic Gabunada, operator of fake network on Facebook – report, Rappler, June 21, 2021.
DOF defends hiring ex-Duterte social media operator Nic Gabunada, Rappler on YouTube, June 22, 2021.