【27日=東京】2021年12月26日、フィリピン共産党(CPP)は第53回創立記念日の声明で、12月1日にイロイロ州ミアガオ町で実行された国軍の爆撃によって、共産党軍事部門新人民軍(NPA)の司令官ジョヴェン・セラルヴォと他7人の戦闘員が殺害されたと伝えた。国軍は、12月3日、この戦闘において「NPA」構成員16人を殺害したと発表していた。
― 爆撃で死亡した戦闘員は8人
CPPは声明の中で、12月1日の爆撃において司令官セラルヴォを含む8人が殺害されたことを認めた。また、2021年前半に、国軍と国家警察500人以上が、司令官セラルヴォが潜伏していた地域にある72の村において地方共産党の武力紛争を終わらせるための全国タスクフォース(NTF-ELCAC)による村落開発プロジェクトが展開されたと伝えた。
CPPパナイ地域委員会は、村落開発プロジェクトでは「NPA戦闘員の投降」というストーリーをでっち上げるなど、国民の血税が無駄に浪費されているなどと指摘した。
― 12月1日の爆撃
一方、2021年12月3日、国軍マリオン・シソン准将は、12月1日にパナイ島イロイロ州で、パナイ島の共産党地域委員会の第二副長官で司令官でもあるジョヴェン・セラルヴォを含む「NPA」16人を殺害したと報告した。2019年3月24日にも、国軍は、セラルヴォを殺害したと報告していたが、今回は、CPPもセラルヴォの死亡を確認した格好だ。
国軍は16人の死亡を確認していることから、今回CPPが戦闘員であると認めた8人以外は、武器を持たない一般市民だった可能性がある。国軍は、戦闘現場から民家まで1.6キロの距離があり住民に影響はないと述べた。だが、現場からの報告によれば、住民は爆発音を聞いており、爆撃によって残された二つの穴も確認されている。大きなものは、直径6メートル、深さ4.5メートルに達した。
〈Source〉
BREAKING NEWS | Top NPA leader in Panay confirmed dead, honored by comrades, Facebook Page of Panay Today, December 26, 2021.
NPA司令官ジョヴェン・セラルヴォ、また殺された?, Stop the Attacks Campaign, 2021年12月5日.