【6日＝東京】2021年12月3日、国軍マリオン・シソン准将は、12月1日にパナイ島イロイロ州で実行した作戦で「NPA」16人を殺害し、うち一人は、パナイ島の共産党地域委員会の第二副長官で司令官でもあるジョヴェン・セラルヴォであると報告。だが2019年3月24日にも、国軍は、同様にイロイロ州で実行した作戦においてセラルヴォを殺害したと報告していた。
― 司令官ジョヴェン・セラルヴォを含む 16人の「NPA」を殺害
国軍は、12月1日パナイ島イロイロ州ミアガオ町において、町の中心から25キロメートル離れたアリモディアス村にあった共産党軍事部門新人民軍（NPA）の隠れ家を攻撃した。第301歩兵旅団司令官マリオン・シソン准将は、16人の「NPA」構成員を殺害し、そのうちの二人はパナイ島の共産党地域委員会の第二副長官で司令官でもあるジョヴェン・セラルヴォとその配偶者だったと述べた。
シソン准将によると、この作戦は、11月28日に住民らより得られた情報に基づいて実行された。住民らの情報によれば、NPAは、12月26日のフィリピン共産党（CPP）の53回創設記念日を前に、この地域での会議開催を予定しており、また、記念日の前に国軍の駐屯地と警察署を攻撃する計画を立てていたという。
― 司令官ジョヴェン・セラルヴォ、以前にも殺されていた！？
国軍は、2019年3月24日にも、同様にミアガオ町アリモディアス村で発生した交戦において、今回殺害されたというセラルヴォを殺害したと報告した。この時、国軍は、20人ほどのNPA構成員と約30分の銃撃戦となり、銃撃戦後、セラルヴォの死亡を確認したという。
― 不均衡かつ無差別な軍事行動との批難
シソン准将は、交戦のあった地点から最も近い民家まで1.6キロの距離があると述べた。だが、農地改革を支援する全国ネットワーク NNARA-Youth（ナラ）が伝える現地からの情報によれば、住民は二機の空軍機が交戦のあった地域上空を飛んでいるのを目撃し、3回の大きな爆発音に続き、4回の爆発音を聞いた。また、空爆によって残された二つの大きな穴の大きさも報告されている。一つは直径6メートル、深さ4.5メートル、もう一つは直径3メートル、深さ90センチに達するという。
人権団体カラパタンは、市民の命を危険にさらし、環境や人びとの生活に甚大な被害を及ぼす空爆などの不均衡かつ無差別な軍事行動は、国際人道法の違反であり調査されるべきであると批難している。 現在、国軍からの情報は限られており、また、メディアが現場に近づくことも許可されないために、詳細は不明である。また、NPAからの声明は、現在のところ出されていない。
〈Source〉
Iloilo clash death toll climbs to 16, philstar, December 3, 2021.
MIAGAO ENCOUNTER: Death toll at 16 including two alleged rebel leaders; 15 others hurt, Army says, Daily Gurdian, December 3, 2021.
Military airstrike in Iloilo indiscriminate, violated IHL, Karapatan, December 4, 2021.
‘NPA leader’ killed in Iloilo encounter, philstar, March 25, 2019.
Soldiers storm NPA hideout in Iloilo town; 8 rebels killed, Philippine News Agency, December 1, 2021.
Troops overrun NPA hideout in Iloilo, Philippine News Agency, March 24, 2019.
Youth group condemns indiscriminate aerial bombardment of farming community, emands investigation into possible HRVs and IHL violations, NNARA-Youth, December 3, 2021.
8 NPA rebels killed in Iloilo clash, Philstar, December 2, 2021.
