【人権侵害タイムライン】(2024年6月10日~6月26日)イスラエル大使館近くで活動家逮捕、テロ資金供与の起訴棄却、先住民族の16歳青年が国軍によって殺害、デ・リマへの容疑棄却など

【写真出典】Photo Essay: Kuni’s burial, DAVAO TODAY.com, June 21, 2024.

労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。


6月8日、タギッグ市にあるイスラエル大使館近くで、パレスチナ人の大量虐殺に反対する連帯行動に参加する予定だった動物愛護と環境保護活動家エディソン・ユーが逮捕された。

ユーはイスラエル大使館の近くで友人を待ち、建物の写真を撮っていた。すると、大使館の警備担当官がユーにIDを要求した。ユーはそれを拒否しその場を立ち去ったが、警備員はユーを追いかけ、いきなり彼の顔を殴った。

ユーは、自分が暴行の被害者であり、その逆ではないと主張

KARAPATAN denounces arrest of pro-Palestinian Filipino protester, KARAPATAN, June 11, 2024.


6月5日付で、バタンガス市第7地域裁判所のアイダ・カレラ・サントス裁判長は、人権活動家フリッツ・ラビアーノとポール・タグルに対するテロ資金供与に関する起訴を棄却した。

南部タガログを拠点とするラビアーノとタグレは、逮捕された2人の環境活動家に食糧などを提供した後、テロ資金供与の罪に問われていた。

KARAPATAN welcomes dismissal of terrorism financing charges vs 2 youth human rights workers, KARAPATAN, June 11, 2024.


6 月8日、スルタン・クダラット州セネター・ニノイ・アキノ町で、先住民族マノボ‐ドゥラガンのクニ・クバ(16歳)が、国軍第7歩兵大隊に殺害された。友人らはトウモロコシ畑に身を隠し、無事だった。

クニ殺害後、同大隊司令官は、フィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)メンバー8人と遭遇戦になりクニを殺害したとラジオ放送で述べた。だが、同大隊はクニ殺害を誤りであったと認め、クバの両親との和解に合意したと伝えられている。

トウモロコシ畑に隠れていたクニの友人らは、兵士らが彼らを見るなり銃撃してきたと証言した。

人権擁護団体カラパタンのパラバイ事務局長によれば、マルコス政権下(2023年12月まで)、ニセの遭遇戦において殺害された民間人は67人に達する。「犠牲者は農民で、NPAを支援しているという疑惑だけで意図的に軍の標的にされたか、無差別に殺された」とパラバイは述べた。

Rights group denounces recent killing of Lumad youth in Sultan Kudarat, KARAPATAN, June 14, 2024.


6月18日午前7時頃、ブラカン州サン・ホセ・デルモンテ市で、フィリピン農民運動のロニー・マナロ事務局長の自宅を不法に家宅捜索した。

Urgent Alart, Facebook page of Kilusang Magbubukid ng Pilipinas – KMP, June 18, 2024.


6 月8日に逮捕された動物愛護と環境保護活動家エディソン・ユーが、保釈金3000ペソを支払い保釈された。

ユーは、軽い傷害の罪に問われている。

Arrested pro-Palestine activist Edison Yu posts bail, Rappler, June 18, 2024.


2024年6月18日、カロオカン市地方裁判所121支部は、殺人罪で4人の地元警官に有罪判決を下した。

ドゥテルテのドラッグ戦争で警官が有罪判決を受けたのは、知られているだけでも4件目である。

In latest drug war conviction, prosecutor was of no help, say private lawyers, Rappler, June 18, 2024.


レイラ・デ・リマ前上院議員に対する違法薬物取引に関する容疑が晴れた。

Leila de Lima cleared of all drug charges, Rappler, June 24, 2024.


2024年6月24日、ミンダナオ人民弁護士連合(UPLM)は、先住民族の人権活動家ダトゥ・ベニート・ベイアオに対する訴訟が棄却されたと発表した。

ベイアオは、新人民軍(NPA)と関係があるとして政府から告発されていた。

Davao del Norte court throws out trafficking cases vs red-tagged IP leader, Rappler, June 25, 024.

「私の家には 奴隷 家政婦がいた」

不平等に扱われるフィリピン人の意外な理由とは?

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Painting:Maria Sol Taule, Human Rights Lawyer and Visual Artist

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