【人権侵害タイムライン】2024年4月11日~4月20日

【写真】カリスカ・ドミニカ・ペラルタ(左),農地の周囲に設置されたフェンス/via Groups demand investigation on ‘summary execution’ of former UP student leader, Bulatlat, April 17, 2024., Tartaria farmers defend their land, resist entry of armed goons, Bulatlat, April 19, 2024.

労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。


2024年4月2日、エロルデ・「ノノイ」・アルマリオが、マスバテ州ミラグロス町サン・カルロス村で、政府系民兵部隊(CAFGU)のメンバー2人によって拉致され、殴打され、超法規的に殺害されたと人権擁護団体カラパタンが述べた。

さらに4月4日、ノノン・モンテセバン前サン・カルロス村長も、「ノノイ」・アルマリオを拉致したとされるCAFGUの2人に拉致、殴打され、危うく殺されそうになった。彼らは、人違いだと気づき、同氏を解放したという。

2年足らずのマルコス政権下、反乱鎮圧に関連した超法規的殺害によって27人が殺害され、マスバテ州は突如、ビコール地方の「殺戮場」として知られるようになったとカラパタンは述べた。

カラパタンは、また、マスバテにおける農民殺害は初めてではなく、アイミー・ヴィリエガスとジョヴァー・ヴィリエガスも農地で殺害されたと指摘した。カラパタンによれば、国軍はヴィリエガス夫妻を遭遇戦で殺害したと主張したが、遺体にあった傷の性質から、彼らは殺害される前に拷問を受けたという。

PRESS RELEASE: Masbate fast becoming Bicol’s killing fields, Karapatan, April 10, 2024.
Slain Masbate farmer victim of indirect ‘Red-tagging’, INQUIRER. NET, April 11, 2024.


リサ・ホンティべロス上院議員は、アンヘレス市で少なくとも2000人が暴力的に立ち退かされた事件を受け、包括的農地改革計画の実施状況の調査を求める決議案を提出した。

Angeles residents pin hopes on Hontiveros Senate probe, Rappler, April 16, 2024.


4月10日、ブキドノン州ケソン町で、フィリピン国軍と国家警察が、カリスカ・ドミニカ・ペラルタを拷問し、殺害した。

ぺラルタが殺害された日に遭遇戦は発生しておらず、女性団体ガブリエラなどは、丸腰だったぺラルタを国軍が殺害したことは戦争犯罪であると非難した。

Groups demand investigation on ‘summary execution’ of former UP student leader, Bulatlat, April 17, 2024.


青年活動家らが、国家人権委員会の中央ビサヤ事務所に対し、セブで発生している一連の赤タグ付けについて調査するよう求めた。

2023年10月以来、偽情報が書かれたポスターが貼られるなど、匿名グループによる青年活動家らへのハラスメントが続いている。ポスターには、青年活動家らは共産党軍事部門新人民軍(NPA)のリクルーターであるなどと書かれている。

Cebu SK councilor, activists urge CHR to probe series of red-tagging incidents, Rappler, April 18, 2024.


カロオカンの裁判所が、運転手労働団体に所属する6人のジプニー運転手に無罪判決を出した。

6人は、コロナによる都市封鎖中の2020年6月20日に実行された抗議活動の際に逮捕され、一人につき3000ペソの罰金が課されていた。

Caloocan court acquits jeepney drivers sued for protesting during lockdown, Rappler, April 19, 2024.


4月16日、カビテ州シラン町タルタリア村で、アラヤとアギナルド一族に雇われた少なくとも60人の武装集団が農地の周りにフェンスを設置した。農民らは自分たちの農地を守るためにフェンスを建てようとしたがそれは取り壊され、その際に少なくとも1人の農民が負傷した。

同農地は、コラソン・アキノ大統領時代に、包括的農地改革計画に則り137人の受益者に分配されることになった。アギナルド一族はこの決定に異議を申し立てたが、却下された。しかし、フィデル・ラモス大統領時代にこの決定は覆され、同農地は包括的農地改革計画の対象地から外された。

現在、土地の所有権に関する最高裁と農地改革省の決定は保留されている状況だが、アギナルド一族などは何年にもわたって農地を奪おうとしてきた。

Tartaria farmers defend their land, resist entry of armed goons, Bulatlat, April 19, 2024.

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