労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年3月7日(木)
カリフォルニア州の判事は、新興宗教団体の伝道師アポロ・キボロイらに対する逮捕状を「unsealed公開」するよう命じた。
米国の法律では、連邦判事は詳細を封印して令状を発行する。逮捕状の「公開」は、身柄引き渡し手続開始を意味する。
US judge orders ‘unsealing’ of arrest warrant vs Quiboloy, Philstar.com, March 7, 2024.
◆2024年3月9日(土)
フィリピン国家警察と国軍が、国家人権委員会ネグロス支部の調査に必要な公文書へのアクセスを拒否した。
AFP, PNP deny CHR-Negros access to public documents on encounter-related cases, Rappler, March 9, 2024.
◆2024年3月11日(月)
左派系団体連合バヤン ヨーロッパ支部は、オランダとフィリピンにルーツをもつ活動家マリキット・サトゥライの不当な拘留と強制送還に対する声明を発表した。
サトゥライは、3月7日夜、ニノイアキノ国際空港に到着した。だが、彼女は入国を拒否され、入国審査官から「反政府活動」への関与について質問され、法的なサービスを受けることさえ拒否されたまま3晩勾留された。
Statement of BAYAN Europe on the arbitrary detention of Dutch-Filipino activist Marikit Saturay, Facebook page of Migrante New South Wales, March 11, 2024.
◆2024年3月11日(月)
2024年2月1日にケソン州で令状なしに放火容疑で逮捕された映画監督ジェイド・カストロと友人3人に対する告訴が却下され、4人は釈放された。
Filmmaker Jade Castro, friends freed after arson complaint trashed, Rappler, March 11, 2024.
◆2024年3月12日(火)
フィリピン国家警察は、映画監督ジェイド・カストロとその友人3人の逮捕に関与した警官を行政告発した。
PNP files admin charges vs chief of police, other officers over Jade Castro arrest, Philstar.com, March 12, 2024.
◆2024年3月12日(火)
パンパンガ州アンヘレス市での強制立ち退きが実行された際、少なくとも5人が銃撃により負傷した。
5 injured in violent demolition in Angeles City, Rappler, March 12, 2024.
◆2024年3月12日(火)
フィリピン全国ジャーナリスト組合オロンガポ支部と地元メディア関係者は、ニュースキャスターのロウェナ・ケハダが、アンヘレス市における強制立ち退きの取材後に行方不明になったと発表した。
Alert | Journalist reported missing after covering demolition, Facebook page of National Union of Journalists of the Philippines, Marcy 12, 2024.
◆2024年3月12日(火)
マルコス大統領とドイツのショルツ首相との会談に合わせ、ジャーナリストらの国際団体が、フィリピンにおける報道の自由やジャーナリスト殺害に関する問題が会談の中心に据えられるべきだと述べた。
German leader urged to raise Gerry Ortega killing in meeting with Marcos, Philstar.com, March 12, 2024.
◆2024年3月13日(水)
国家人権委員会は、3月12日と13日にパンパンガ州アンヘレス市で実行された強制立ち退きを取材していた2人のジャーナリストが脅迫されたことについて調査すると発表した。
CHR launches probe into harassment vs journalists covering Angeles demolition, Rappler, March 13, 2024.
◆2024年3月15日(金)
環境保護活動家のジェド・タマノとジョニラ・カストロは、ドニャ・レメディオス・トリニダッド地方裁判所(MTC)に対し、名誉棄損の容疑を却下するよう申し立てた。
Green activists Castro, Tamano move to quash defamation raps, Philstar.com, March 15, 2024.
◆2024年3月16日(土)
人権擁護団体カラパタン中央ビサヤ支部は、今年2月23日に、ボホール州ビラールで国軍によって殺害された5人の家族が当局から脅迫を受けていると発表した。
5人の家族らは、国家人権委員会に対し独立した調査と検死を求めているが、国家警察の諜報員らから要請を撤回すれば奨学金を提供するといった条件を提示されたり、取り下げなければ家族の身の安全は保障できないと脅迫されたりしている。
Facebook page of Karapatan – Central Visayas, March 16, 2024.