労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年11月14日(火)
2023年11月13日13時20分に、地方共産党の武装闘争を終わらせるための国家タスクフォース(NTF-ELCAC)とされる集団が、労働者団体の5月1日運動南部ミンダナオ支部(KMU-SMR)事務局長ポール・ジョン・「PJ」・ディソンの家を訪れた。NTF-ELCACはPJに対し、汚名を晴らすために政府当局に「投降」するよう、また、もし警告を無視し続けるなら刑事告発すると言った。
PJは、日本で有名なスミフルのバナナを生産しているプランテーションの統一労組NAMASUFA(ナマスファ)の委員長である。
ALERT, Facebook page of KMU SMR, November 14, 2023.
【参考】
【コラム】フィリピン産バナナの袋詰めは誰が?スミフル・フィリピン社の労働者への不当な扱い, SAC, 2022年2月5日.
【コラム】スミフルバナナ・プランテーションの労働者、さらなる窮地に:統一労組NAMASUFAポール・ジョン・ディソン委員長(PJ)に聞く,SAC,2022年2月12日.
◆2023年11月15日(水)
ケソン市検察庁は、フランス・カストロ下院議員が提出したサイバー犯罪に関する告発状について、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領に対する召喚状を発行した。
ドゥテルテ前大統領は、12月4日と11日に検察庁に出頭し、反証供述書を提出するよう命じられた。召喚状には「却下の申し立ては受け付けない」とあった。
Quezon City prosecutor to resolve grave threat case vs Duterte if…, philstar, November 20, 2023.
Philippines’ Duterte Subpoenaed Over Alleged Death Threat, TIME, November 15, 2023.
◆2023年11月21日(火)
この5日間に、2人の人権活動家が国軍に拉致された可能性があることが明らかになった。
漁民コミュニティのオーガナイザーであるマリアノ・ジョロンバヤンは、11月16日にバタンガス州リアンに向かっている途中で家族と連絡を取ったのを最後に、行方不明となった。
一方、フィリピン大学ロスバニヨス校生物学学士課程に在学中のカーラ・マエ・モンジは、11月20日、国軍によって拉致された。バタンガス州の住民が、現場を目撃している。
ALERT, Facebook page of Environmental Defenders Congress, November 21, 2023.
◆2023年11月23日(木)
11月20日付の共同決議書において、ラグナ州検察庁のクリスチャン・カストロ準検事は、ハイリー・ペカヨとその他15 人の進歩派の個人に対する刑事告発を棄却した。告発は、反テロ法および国際人道法違反の罪に対するものだった。
3 activists are latest to win cases of feared anti-terror law, Rappler, November 23, 2023.
Laguna prosecutors junk terrorism, murder raps vs human rights advocate, 15 others, Philstar.com, November 23, 2023.
◆2023年11月25日(日)
元政治囚のグループは、マルコス大統領に対し、フィリピン共産党・新人民軍・フィリピン民族民主戦線(CPP-NPA-NDFP)との和平交渉を進めるよう促し、政府の最近の恩赦プログラムは 「インチキ和平計画 」であるとのレッテルを貼った。
Resume peace talks instead of ‘bogus’ amnesty — ex-political prisoners, Philstar.com, November 25, 2023.