労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年8月14日(月)
放送作家のパーシヴァル・「パーシー・ラピッド」・マバサ殺害事件の犯人とされるジョエル・エスコリアルが、司法取引による量刑軽減を裁判所に求めた。
‘Gunman’ in Percy Lapid slay asks for lower penalty via plea bargain deal, Rappler, August 14, 2023.
◆2023年8月14日(月)
警官に殺害されたジェルホード・ジェンボイ・バルタザール(17歳)を検死した法医学病理学者のラケル・フォートゥン博士が、国家警察からハラスメントを受けていることをX(旧ツイッター)で明らかにした。
Fortun, who examined Jemboy Baltazar’s body, sounds alarm over visit from authorities, Rappler, August 14, 2023.
◆2023年8月14日(月)
西ネグロス州カラトラヴァ町で2023年8月9日に発生した待ち伏せ事件について、フィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)が犯行声明を出した。この時、国軍兵士1人が死亡、3人が負傷した。
NPA owns responsibility for ambush, killing of villagers in Negros Occidental, Rappler, August 14, 2023.
◆2023年8月15日(火)
人権擁護団体カラパタンが、マルコス政権による国家安全保障政策(NSP)2023-2028の発行を受け、国軍などによる国際人権法違反がエスカレートする懸念があると声明を発表した。
同法において、すべての政府機関はNSPに沿ったプログラムを作成するよう指示されている。
カラパタンは、国軍がNSPを根拠として、フィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)の拠点と思われる地域で空爆や砲撃などの破壊的な手段をいっそう使用するようになるだろうと指摘している。
カラパタンによれば、マルコス政権下、東ネグロス州ギフルガン市とカリンガ州バルバラン市において、空爆と砲撃によって6931人の犠牲者が出ている。同様のことが他の地域でも再現されるに違いないと、カラパタンは懸念を示した。
Statement:Bombings, other IHL violations to escalate as BBM unveils NSP 2023-2028, KARAPATAN, August 15, 2023.
◆2023年8月16日(水)
フィリピン・カトリック司教協議会(CBCP)会長で、カロカンのパブロ・ヴァージリオ・「アンボ」・デイヴィッド司教は、警官に殺害されたジェルホード・ジェンボイ・バルタザール(17歳)のための礼拝で、警察官らに向けて、「あなたたちは法律ではない。法の執行者に過ぎない。人を殺すために税金から給料をもらっているわけではない」と述べた。
礼拝には、バルタザール殺害に関わったナボタス市警のアラン・ウミピッグ署長もいた。
デイヴィッド司教は、ドラッグ戦争の中で殺害された被害者やその家族の擁護者として知られる。
In Mass for killed teenager, Bishop David tells police: ‘You are not the law’, Rappler, August 17, 2023.
◆2023年8月17日(木)
モロ・イスラム解放戦線(MILF)のメンバー2人が、2023年8月12日にバシラン州で発生した待ち伏せ事件に関与したとして、MILF指導者に伴われて自首した。
この事件で、国軍兵士2人が殺害された。
MILF members behind Basilan ambush, military confirms, Rappler, August 17, 2023.
◆2023年8月19日(土)
地方共産党の武装闘争を終わらせるための国家タスクフォース(NTF-ELCAC)の元スポークスパーソン ロレイン・バドイ元上院議員のフェイスブック・ページが、削除された可能性がある。
これは、FBI指名手配中の伝道師アポロ・キボロイのフェイスブックとインスタグラムのページがプラットフォームから削除された後に起こった。バドイ元上院議員は、キボロイ所有のメディアネットワークSMNIの番組でホストを務める。
Former NTF-ELCAC spox Badoy’s Facebook page, Philstar.com, August 19, 2023.