労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年2月13日(月)
立法・行政開発諮問委員会(LEDAC)が承認した優先すべき10法案のうちの一つは、若者への軍事訓練必修の復活である。LEDACは、国家経済の目標実現に不可欠な特定のプログラムや政策について大統領に諮問・助言する機関。
Maharlika Fund, mandatory ROTC and NSTP tagged LEDAC-adopted bills under Marcos, Rappler, February 13, 2023.
Through a mother’s lens: My son Mark exposed ROTC corruption and lost his life, Rappler, February 17, 2023.
Criticism vs mandatory ROTC grow | The wRap, Rappler, February 9, 2023.
◆2023年2月13日(月)
人権団体カラパタンが、フィリピン民族民主戦線(NDF)のコンサルタントであるアリエル・バディアンがブキドノン州で行方不明になったことについて、国軍を非難した。国軍は関与を否定しているが、バディアンは2月6日に国軍兵士に拉致されたと言われている。
NDF consultant goes ‘missing’ in Bukidnon, authorities clueless, Rappler, February 13, 2023.
◆2023年2月13日(月)
司法省は、停職中の矯正局長官ジェラルド・バンタグの事件を、管轄権を持つオンブズマン事務所に移管したと発表した。
DOJ sends Bantag plunder complaint to Ombudsman, Philstar, February 13, 2023.
◆2023年2月14日(火)
控訴裁判所は、政府の異議申し立てを棄却し、2021年2月5日と3月5日付のマンダルヨン地方裁判所による「2020年12月にジャーナリストのレディ・アン・サレムと労働組合員のロドリゴ・エスパラゴの逮捕に繋がった捜査令状を無効化する」という命令を支持した。
CA: Voiding of search warrants vs Salem, Esparago ‘proper and just’, Philstar, February 14, 2023.
◆2023年2月14日(火)
下院議員らは、2月6日のフィリピン大学メラニア・フローレス教授(フィリピン大学教職員組合議長)逮捕について調査を求める決議案を提出した。
House probe sought into UP professor’s arrest on campus by undercover cops, Philstar, February 14, 2023.
◆2023年2月15日(水)
2月13日国軍は、カガヤン州における共産党軍事部門新人民軍(NPA)との遭遇戦において、フィリピン人と日本人の間に生まれたマニラ出身の大学生オリオン・ヨシダの身柄を確保したと発表した。国軍は、ヨシダはNPAの一員であると主張。同学生は、負傷していた。
Army takes custody of wounded Fil-Jap ‘rebel’ in Cagayan, INQUIRER. NET, February 15, 2023.
◆2023年2月16日(木)
午前8時、ボホール州バリリハン町ハノポル・ノルテ村のルクレシア・マンチャ-タシック村議が、自宅を訪ねてきた男二人に銃殺された。タシック村議は、パーティリストのアナックパウィス党の支持者だった。タシック村議の娘が、NPAの司令官だと国軍に信じられているドミンゴ・コンポックの息子と結婚して以来、治安当局による同村議へのハラスメントは悪化していた。
Female village councilor slain inside her home in Bohol town, INQUIRER. NET, February 16, 2023.
Progressive groups condemn brgy. kagawad’s murder, BOHOL TRIBUNE, February 16, 2023.
◆2023年2月18日(土)
ラップラーは、2月15日に実施したアルマ・ウイ弁護士へのインタビューで、同弁護士が「自身に対する脅迫や命に対する脅威がより深刻になってきている」と語ったと報じた。
ウイ弁護士は、2021年3月に発生したカルバヨグ市のロナルド・アキノ市長とその側近2人の殺害事件を追究してきた。
‘Iron Lady’: Lawyer of slain Calbayog mayor Aquino unfazed by death threats, Rappler, February 18, 2023.
◆2023年2月18日(土)
国際刑事裁判所(ICC)のカリム・カーン検事は、ドゥテルテ前大統領政権下のドラッグ戦争による殺害に関する調査の中断を求めるフィリピン政府の要請を拒否するよう、ICCの上訴部に要請した。
ICC prosecutor opposes PH appeal to suspend probe into drug war killings, Rappler, February 18, 2023.
◆2023年2月18日(土)
国際刑事裁判所(ICC)がドゥテルテ前大統領によるドラッグ戦争に関連する殺戮について調査を進めると述べたにもかかわらず、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、ICCの管轄権が何であるか「わからない」と述べた。
Marcos says he ‘cannot cooperate’ with ICC unless jurisdiction question answered, Rappler, February 18, 2023.
◆2023年2月19日(日)
列国議会同盟(IPU)は、6年間拘束されているレイラ・デ・リマ元上院議員を即刻釈放するようフィリピン政府に求める決議を採択した。
Inter-Parliamentary Union calls for De Lima’s freedom after 6 years in prison, Rappler, February 19, 2023.