【東京=9日】2月1日、パンデミック基金をめぐるファーマリー社汚職疑惑に関する上院ブルーリボン委員会の調査報告書の一部が公表された。リチャード・ゴードン委員長は、翌2日に行われた会見でも、「公的信頼を裏切った」としてドゥテルテ大統領の責任追及が求められると主張した。
― ドゥテルテ大統領は裏切りの責任を取らなければならない!
2月1日、上院ブルーリボン委員会は、ファーマリー社への医療品買付をはじめとしたパンデミック基金の汚職疑惑に関する報告書を完成させた。同報告書において、ドゥテルテ大統領は「近年のフィリピンの歴史上、最大の国庫略奪」を行い、「すでに何百万もの人びとが失業し、貧困と飢えに苦しんでいたにもかかわらず、状況をさらに悪化させた」と非難された。当日の報告書公表に関する記者会見で、リチャード・ゴードン委員長は、「公的信頼の裏切り」について「(ドゥテルテ大統領は)責任を問われなければならない」と述べた。
1日に公開されたのは報告書の一部のみであったが、その報告書は、保健省フランシスコ・ドゥケ長官、財務省クリストファー・ラオ事務次官、オンブズマン代表のワレン・レックス・リオン、ドゥテルテ大統領に近しい元大統領経済アドバイザーのマイケル・ヤン、ファーマリー社役員等に対して、汚職と横領の罪で起訴することを求めている。その他、多くの関係者の名前が報告書には記載され、横領罪、詐欺罪、偽証罪等、各種犯罪に対する起訴が推奨されている。
― ドゥテルテ大統領が容認していたと結論づけざるを得ない
「私たちは、十分な人数の支持者を既に獲得しています。(中略)これは非常に充実した報告だと思います。私たちはこれに18日間取り組みました…上院がこれで分割されないことを願っています。私たちが党派ベースで分割されるならば、それは悲劇的なことです。私たち上院は(報告書の内容が)真実か虚偽かによって分かれるべきです。」
報告書公開翌日の2月2日、ゴードン委員長は、リモート記者会見において、ファーマリー社汚職疑惑に関する報告書の一部について力強く語った。ゴードン委員長は、ブルーリボン委員会は、ファーマリー社との取引をドゥテルテ大統領が「容認した」と結論づけざるをえないと告げた。
マニー・パッキャオ上院議員は、「私はブルーリボン委員会の報告書を完全に支持します。レポートの全てが真実です」と報告書への署名を確約した。その日の夕方、リサ・ホンティベロス上院議員は、詳細を検討中であると断りを入れた上で、ゴードン委員長の勇気と信念を称賛し、「明らかなことは、私たちの医療従事者が、強力な保護者を有した盗賊グループによって、誤魔化されているということです」との声明を発表した。パンフィロ・ラクソン上院議員も、ブルーリボン委員会の副委員長としてサインをしたことを明らかにした上で、「公的信頼の裏切り」や起訴等の推奨について保留する立場であることを自身のツイッターで述べた。
― ドゥケ長官:真実に対して盲目になっていることを残念に思う
2月4日の時点でマラカニヤンからの反応はない。責任追及の矢面に立つドゥケ保健省長官は、インクワイヤラー紙に対して、報告書は未だ公式のものではないことを指摘し、「もしブルーリボン委員会がその推奨に則った対応をするのであれば、私たちは裁判所からの対応を待ちましょう」と語った。ドゥケ長官は、隠すものは何もないため裁判所の手続きに対して全面的な協力を行うことを告げ、「ブルーリボン委員会が真実に対して盲目になっていることを残念に思う」と述べた。
〈Source〉
Gordon seeks signatures for Pharmally probe report; Pacquiao indicates support, philstar, February 2, 2022.
Gordon says Senate panel ‘forced to conclude’ Duterte ‘condoned’ Pharmally deals, ABS-CBN, February 2, 2022.
Gordon: ‘Substantial’ number of senators back blue ribbon panel report on Pharmally probe, Inquirer, February 2, 2022.
Lacson signs Pharmally report ‘with reservations’, philstar, February 4, 2022.
Senate panel finds Duterte accountable for ‘complicity’ in ‘plunder’, Inquirer, February 2, 2022.