労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2025年8月21日(木)
カバタアン・パーティリストの支部長マルクス・バルタザールは、LGBTQIA+の権利に関する抗議デモに参加したことを理由にサン・ホセ・デルモンテ ブラカン市立大学3年次への進学を取り消された。バルタザールは、今年卒業できないかもしれない。
大学からの通知によると、この抗議活動は大学の承認を受けておらず、同活動への参加は大学の規則違反である。
バルタザールは、学生を育てるはずの教育機関が抑圧者に変貌していると指摘した。
Student leader denied enrolment after joining protest vs gender discrimination, BULATLAT, August 21, 2025.
◆2025年8月22日(金)
ネグロス島の人権擁護団体と革新的団体は、ネグロス島北部に「情報網」を構築するという第303歩兵旅団の計画を非難し、農民、農場労働者、オーガナイザーらを危険にさらすと警告した。
Rights groups slam Army’s plan to set up “intel network” in Northern Negros, PAGHIMUTAD, August 22, 2025.
◆2025年8月22日(金)
農民のオーガナイザーであるグレース・マンアニンは、8月11日、南アグサン刑務所から第60歩兵大隊によって国軍の施設に拘束された。国軍は、マンアニンは「高価値ターゲット」であるという理由で国軍の施設に収容するよう裁判所に要請した。
マンアニンは、6月13日に南アグサンで不当に逮捕された活動家6人のうちの1人。
Agusan 6 face persecution, member taken by military, BULATLAT, August 22, 2025.
◆2025年8月25日(月)
8月22日午前2時頃、カピス州タパス町における中山間地域の村々で、国軍第301旅団が、フィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)とされる戦闘員に対する作戦であるとし、銃撃、砲撃、航空攻撃を実行した。
村人らは、2時半までドローンやヘリコプターが飛ぶ音を聞いたと報告している。大きな爆音が鳴り響き、家屋は揺れ、村人らは避難を余儀なくされた。
人権擁護団体カラパタンは、人口密集地での武器使用は国際人道法違反であると非難した。
Civilians flee as military ops Intensify in Tapaz, BULATLAT, August 25, 2025.
◆2025年8月25日(月)
リサール州のドゥマガットのコミュニティで、国軍から住民へのハラスメントが続いている。
国軍第80歩兵大隊が、タナイ町サンタ・イネス村において、監視、個別訪問、尋問キャンペーンを実行している。村人らは、7月25日から29日まで、施政方針演説に対する抗議活動に参加したが、国軍はそれについて尋問したり、ふたたび抗議活動などに参加したりしたら拉致すると脅した。
国軍は、コミュニティのビオレタ・ベルトゥデスも標的にした。ヴェルトゥデスは8月2日以来、頻繁に尋問を受け、命の危険 を感じている。
Soldiers harass Dumagat communities in Rizal, BULATLAT, August 25, 2025.
◆2025年8月28日(木)
8月28日、西ネグロス州バゴ市にある地方刑務所男性房の刑務官が、600人以上の収監者らによる抗議のために交代させられた。
収監者らは、600人以上の署名を集めた人権侵害の改善を求める請願書を提出し、1週間にわたり抗議行動を実行した。
Negros PDL’s protest leads to warden’s removal, rights groups hail ‘victory’, PAGHIMUTAD, August 28, 2025.