労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年4月5日(金)
4月2日から3日にかけて、南イロコス州サンタ・マリアとアブラ州ピラールのコミュニティが空爆された。近隣住民の目撃証言やビデオによると、ヘリコプターが周辺を偵察し、無人機が空爆を行ったため、人びとの住む村が広範囲に破壊された。また、空爆は住居のすぐ近くで起こっているため、住民700人が避難を余儀なくされた。
先住民族や農民、人権擁護団体などは、5日、国軍司令部を訪れ一連の攻撃について抗議した。
人権擁護団体カラパタンは、エルニーニョがもたらした干ばつによってすでに打撃を受けている農民らに、さらに追い打ちをかける行為であると国軍による爆撃や航空攻撃を非難した。さらに、カラパタンは、国軍第5歩兵師団が派遣した膨大な数の地上部隊は不均衡な武力行使であり国際人道法違反であると指摘した。
フィリピン国軍は声明で、フィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)のメンバーを追跡中であり、その後銃撃戦になったと述べた。
PRESS RELEASE, Facebook page of Katribu Kalipunan ng Katutubong Mamamayan ng Pilipinas, April 5, 2024.
PRESS RELEASE:KARAPATAN condemns bombings, military operations in Abra and Ilocos Sur, KARAPATAN, April 5, 2024.
Stop airstrikes in hinterland villages, rights groups ask AFP, Rappler, April 8, 2024.
◆2024年4月9日(火)
バランガイ青年評議会(SK)のメンバーや青年活動家らが、セブ市のサン・カルロス大学のキャンパス付近に貼られたポスターで、フィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)のリクルーターであると非難された。
SK councilor, other youth activists red-tagged via posters near Cebu university, Rappler, April 9, 2024.
◆2024年4月10日(水)
本日未明、ブキドノン州ケソン市で、5月1日運動(KMU―フィリピンの労働組合ナショナルセンターの一つ)南ミンダナオ地区のオルガナイザー ウィリアム・ラリオサ(63歳)が、逮捕されたあと行方不明になっている。
ラリオサと家族は、何年にもわたり国軍などから脅迫や嫌がらせを受けており、身を隠していた。
ALERT, Facebook page of KMU SMR, April 10, 2024.