【人権侵害タイムライン】
2023年9月18日~9月25日

【写真】アルミナザ司教(上),解放された環境活動家のジェドとジョニラ/via Bishop Alminaza challenges AFP narrative on Kabankalan massacre, Paghimutad - Negros Island People's Alternative Media, September 24, 2025., Abduction of activists sparks calls to surface desaparecidos, Facebook page of Philstar.com, September 20.

労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。


◆2023年9月19日(火)

2023年9月2日以来行方不明になっていた環境活動家のジェド・レイヤナ・タマノとジョニラ・カストロが、NTF-ELCAC主催の記者会見において、「2人は自主的に投降した」という国軍などの主張を覆した。

カストロは、「本当は、私たちは国軍によって拉致された。彼らは私たちの命を脅かし、降伏を強要した」と述べ、タマノは「バンが私たちの前に止まり、私たちは連れ去られた。それが真実だ。彼らは私たちのことを知っていた」などと発言した。

‘We were abducted’: Activists counter military account at NTF-ELCAC presser, Rappler, September 19, 2023.


◆2023年9月19日(火)

上記のジェド・レイヤナ・タマノとジョニラ・カストロによる「兵士に拉致され、脅迫された」との主張を受け、「我々は裏切られたと感じた」とNTF-ELCACが述べた。

NTF-ELCACは、「2人が自主的に投降した」と主張する国軍などの立場を支持すると付け加えた。

NTF-ELCAC ‘appalled’ by kidnap claims of 2 environmentalists, Philippine News Agency, September 19, 2023.


◆2023年9月19日(火)

2023年9月15日に西ネグロス州カウヤンで農民団体オーガナイザーのベア・ロペスと共に拉致されたトライシクル運転手ピーター・アグラヴァンテが、二日後の17日、遺体で発見された。

両手はロープで、目、口、足首はテープで縛られ、頭部には銃創があった。目撃者によると、遺体発見現場に白いトラックが停車し、道端に何かを投げ捨てたという。

Karapatan decries another abduction case in Negros, one found dead, Karapatan, September 19, 2023.


◆2023年9月20日(水)

民主化団体連合は、ドゥテルテ前政権のドラッグ戦争における超法規的殺害を調査する「真相究明委員会」の設立を求めた。

Truth commission eyed to probe EJKs, INQUIRER. NET, September 20, 2023.


◆2023年9月21日(木)

2023年1月10日に拉致された活動家のアルマン・ダヨハが、9月21日の戒厳令追悼フォーラムで、パートナーとともに2021年以来何度も国家諜報員と疑われる人物に尾行されていたことを明らかにした。

Cebu activists report of being followed before abduction, Rappler, September 21, 2023.


◆2023年9月23日(土)

国軍は、2023年9月21日に西ネグロス州カバンカラン市において約10人のフィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)と銃撃戦となり、6人を殺害したと発表した。

一方、NPAのスポークスパーソンであるアンドレア・ゲレロは、死者のうち5人はNPAの非戦闘員であると述べた。もう一人は、トライシクル(バイクに客席を取り付けた三輪の乗り物)の運転手だった。

6 suspected rebels killed, including tricycle driver, in Kabankalan City, Rappler, September 23, 2023.


◆2023年9月24日(日)

オンブズマン事務所は、活動家レイナ・メイ・ナシノによる23人の警察官と拘置所職員に対する刑事告発および行政告発を棄却した。

ナシノは、2019年11 月以来勾留されていたマニラ市の拘置所で、妊娠中および妊娠後に「残酷で非人道的で品位を傷つける扱い」を受けたとして提訴していた。ナシノは保釈を許されず、出産後に別居していたその子どもは、生後3か月後に肺炎で死亡した。

Ombudsman clears activist’s guards, INQUIRER. NET, September 24, 2023.


◆2023年9月25日(月)

東ネグロス州サンカルロス市のジェラルド・アルミナザ司教は、国家人権委員会などに、9月21日にカバンカラン市で発生したNPA非戦闘員とされる5人とトライシクル運転手1人の殺害について、調査するよう要請した。

国軍は遭遇戦において6人を殺害したと主張。一方、NPAのスポークスパーソンは、5人は非戦闘員だったと述べた。また、被害者のもう1人は、5人が契約したトライシクル運転手で、トライシクルが銃撃されたと言われている。

San Carlos bishop calls for probe into killing of 5 NPA ‘noncombatants,’ driver, Rappler, September 25, 2023.

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