労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年6月6日(月)
全国農業労働者連盟(UMA)は6月8日、国家通信委員会(NTC)が自身のウェブサイトを遮断し続けている現状について非難する声明を発表した。
UMAは声明で「ILOが、結社の自由を踏みにじる手段として政府が労働組合に赤タグ付けを行ってきたとする現地報告を確認していながら、NTCは根拠なく、われわれのウェブサイトを遮断し続けている」と述べた。
ウェブサイト遮断の継続を非難 農業組合が国家通信委員会に,まにら新聞,2023年6月12日.
◆2023年6月13日(火)
国家捜査局(NBI)の検査によると、東ネグロス州知事ロエル・デガモ殺害事件の現場から採取されたDNAサンプルは、虐殺事件の容疑者10人のうち4人のものと一致した。
デガモ知事(当時)ら8人は、2023年3月4日、東ネグロス州パンプローナで、武装集団に襲撃され死亡した。
DNA from crime scene matches samples from 4 Degamo slay suspects, Rapples, June 13, 2023.
◆2023年6月日14(水)
カラパタンは、カリンガ州の地方共産党の武装闘争を終わらせるための国家タスクフォース(NTF-ELCAC)が出した決議を強く非難した。決議は、カリンガ州のすべての自治体に対し、「同自治体において活動を行うNGOを名乗る団体に活動に関する申請を求めるよう」要請するもの。
カラパタンによると、同決議には、フィリピン陸軍第50歩兵大隊が発行し、共産主義運動の「部門別フロント組織」とされたコルディリエラ地方のNGO18団体のリストが含まれている。
Facebook page of Karapatan, June 14, 2023.
◆2023年6 月15日(木)
2013年6月14日22時頃、ロリー・ファウスト (55)、配偶者イメルダ (50)、その子どもベン (15)、ラヴィン (12)が、国軍第94歩兵大隊と想定される集団によって殺害された。
竹で作られた簡素で小さな家の出入り口のすぐ外に、イメルダの遺体があった。頭蓋骨は砕け、左足には銃弾の痕が残っていた。奥の戸口からは少年の遺体がぶら下がっていた。家の中からも遺体が発見された。ロリーの遺体は家から50メートル離れた場所で発見された。
ロリーとイメルダはサトウキビ農場労働者団体のメンバーで、殺害される以前から赤タグ付けされ自宅内を荒らされるなどハラスメントを受けてきた。
94th IB’s relentless harassment of Fausto family ends in massacre, Paghimutad – Negros Island People’s Alternative Media, June 15, 2023.
Trigger warning: Death, State violence, Facebook page of Kilusang Magbubukid ng Pilipinas – KMP, June 16, 2023.(注意:現場のカラー写真が掲載されています。)
Kin say patriarch of massacred Negros Occidental family not a military asset, Rappler, June 17, 2023.
◆2023年6月18日(日)
6月14日に殺害されたロリー・ファウスト (55)、配偶者イメルダ (50)、その子どもベン (15)、ラヴィン (12)の葬儀が行われた。
Tweet @ inday espina varona, June 18, 2023.