労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年4月3日(月)
ミンダナオ島南ラナオ州ブボン町で、国軍と国家警察によって地元のテロリスト3人が殺害され、7人が逮捕された。
3 killed, 7 arrested in clash with Dawlah Islamiya, Philstar.com, April 3, 2023.
◆2023年4月3日(月)
東ネグロス州のデガモ知事殺害事件に関する合同捜査班が、同州第3地区選出のアーノルフォ・「アーニー」・テヴェスの「長年のボディガード」であるマーヴィン・ミランダを同知事殺害の主犯格の一人であると述べた。ミランダはすでに拘束されている。
Teves’ bodyguard a ‘co-mastermind’ in Degamo slay, says gov’t task force,Rappler, April 3, 2023.
◆2023年4月4日(火)
フィリピン国家警察(PNP)は、PNPの高速道路パトロール隊員が訓練生を殴った事件で、同パトロール部隊のディレクターが辞任したと発表した。
PNP Highway Patrol chief quits after cop seen in video hitting trainee, Rappler, April 4, 2023.
◆2023年4月4日(火)
人権擁護団体カラパタン南タガログ支部は、3月26日に国軍によって拉致されたとされるサトウキビ農場労働者ら3人が、家族や弁護士らとの面会を許可されていないことを非難した。
Grant kin, lawyers access to abducted sugarcane farmers, military told, Bulatlat, April 4, 2023.
◆2023年4月4日(火)
司法省は、2023年3月31日、17人の警官に対する「血の日曜日」事件における殺人罪の起訴を退けた。
この決定を受け、被害者の一人である漁民組織のアナ・マリス・「チャイ」・レミタの家族は、引き続き処罰を求めて行くと述べた。
「血の日曜日」は、南タガログ地方において国軍と国家警察による一斉捜査で9人が殺害された事件である。レミタの夫で漁民組織リーダーのアリエル・エヴァンジェリスタも、この時殺害された。彼らの子どもは、両親が殺害される現場に居合わせた。
‘Lemita family will continue to pursue justice’ – lawyers, Bulatlat, April 4, 2023.
◆2023年4月5日(水)
4月4日、「農民ら3人が、3月26日にバタンガスで、国軍によって拉致された」という左派グループの主張を、国軍が否定した。
Military denies abducting 3 men in Batangas, INQUIRER. NET, April 5, 2023.
◆2023年4月6日(木)
マルコス・ジュニア大統領は、行政命令第6号を発行し、東西ネグロス州の暴力抑制と平和と秩序の維持を目的とするタスクフォースを結成した。
Marcos forms task force vs Negros violence, The Philippine Star, April 6, 2023.
◆2023年4月6日(木)
ミンダナオを拠点とする弁護士らが、反政府武装組織の容疑者を弁護する同僚への南スリガオ州警察署によるハラスメントについて非難した。
事の発端は、デニス・A・シルノ同警察署長が3月29日に発行した覚書。同覚書において、同署長はリアンガ町警察署に対し、反政府勢力に対する刑事事件において繰り返し容疑者の弁護にあたっている弁護士を詳細調査するようするよう命じた。
Lawyers slam PNP Surigao del Sur order to profile PAO colleague, Rappler, April 6, 2023.
◆2023年4月7日(金)
聖木曜日の4月6日、フィリピン国軍によってリサール州とロドリゲス州にある2つの村から100世帯以上が、軍事作戦のため強制的に避難させられた。
Military evacuates hundreds of families on Maundy Thursday in Rizal province, KODAO PRODUCTIONS, April 7, 2023.
◆2023年4月8日(土)
カリカサン環境保護ネットワークは、フィリピン国軍がリサール州における空爆を予定しているという報道に対し、強い懸念を表明した。
また、数か月の間に、ネグロス島やミンダナオ島、カガヤン・バリー、そして今回のリサール州での国軍による空爆作戦は、コミュニティと生物多様性にとって重要な地域を危険にさらしていると同環境保護ネットワークは述べた。
マルコス・ジュニア政権下で、国軍が行った無差別爆撃や砲撃は少なくとも8件に上る。
Green groups sound alarm over AFP plans to bomb Rizal’s ‘key biodiversity sites’, KALIKASAN, April 8, 2023.