コロナ禍で助け合う「地域の食料庫」運動 下院が主催者を表彰へ

【写真】ノンが始めた「地域の食料庫」運動(写真左)は全国に広がり、ミンダナオ島のダバオ市では自転車を使った"宅配"も(写真右)

【26日=東京】新型コロナウイルスの感染拡大で困窮する生活を助け合おうと始まった「地域の食料庫」運動。現地の報道によると、フィリピン下院はこの運動のきっかけを作ったアナ・パトリシア・ノン氏らを表彰する決議を提出する。一方、政府批判につながりかねないと、主催者への監視を強めていた国家警察の幹部は主催者に謝罪し、主催者への「身辺調査はしない」ことを下院委員会で明らかにした。

 ノンはマニラ首都圏ケソン市で2021年4月14日に、自宅にあった食品や日用品を竹製のカートに載せ道端に置いた。誰でも自由に必要なものを持っていってもらえるようにした。この取り組みが全国に拡大し、ミンダナオ島のダバオ市では自転車を使って食料を生活に困っている人たちに配る取り組みも始まった。

 ノンも活動開始後ほどなく、ケソン市警察区の警官などに尋問され、一時的に活動の中止を余儀なくされた。同警察区や、政府の「共産党の武装闘争を終わらせるための国家タスクフォース(国家タスクフォース)」によって、SNS上で「アカ(共産主義者)」のレッテル貼りをされたりもした。また、国家タスクフォースは4月20日、「地域の食品庫」の主催者の身辺や政治的思想などを調査しはじたことを認めていた。

〈Source〉
PNP HRAO Says Sorry to Pantry Organizers, Maintains Police do not Red-tag, GMA Online News, May 19, 2021.
How a Community Pantry Sparked Movement of Mutual Aid in the Philippines, The News Lens, April 21, 2021.
Parlade Admits Profiling of Community Pantry Organizers, Rappler, April 20, 2021.
What the Community Pantry Movement Means for Filipinos, CNN, April 19, 2021.

〈関連記事〉
自転車を使って”宅配”も コロナ禍の助け合い、広がる「地域の食品庫」運動 ミンダナオ島・ダバオ市で, 2021年5月16日, SAC.
コロナ禍に物資持ち寄り、助け合い 各地で「地域の食品庫」運動 政府は拡大に神経とがらす, 2021年5月9日, SAC.

あなたは知っていますか?

日本に送られてくるバナナの生産者たちが
私たちのために1日16時間も働いていることを

詳しく見る

最新情報をチェックしよう!
>ひとりの微力が大きな力になる。

ひとりの微力が大きな力になる。


一人ひとりの力は小さいかもしれないけれど、
たくさんの力が集まればきっと世界は変えられる。
あなたも世界を変える一員として
私たちに力を貸していただけないでしょうか?

Painting:Maria Sol Taule, Human Rights Lawyer and Visual Artist

寄付する(白)