【7日=東京】フィリピンのニュースメディアや人権擁護団体のウェブサイトへのサーバー攻撃に使われたIPアドレスがフィリピン科学技術省と国軍のコンピュータ機器にたどり着いた問題で、調査をしたスウェーデンの非営利調査機関クリウムは、両政府機関に対して疑惑についての説明を求めた。現地のメディアが6月30日に報じた。
サイバー攻撃を受けたのは、独立系メディアのブラットラット(bulatlat)とオルタミディア(Altermidya)、人権監視NGOカラパタンのウエブサイト。5月から6月にかけて、それぞれのウエブサイトへのアクセスがつながりにくくなった。分散型サービス拒否攻撃(DDoS)と呼ばれるサイバー攻撃だったという。
─ 科学技術省と国軍は関与を否定
報道によると、科学技術省と国軍はサイバー攻撃との関連性を即座に否定している。国軍は、表現の自由を尊重し、サイバー攻撃を調査すると述べていたが、いまだに調査結果は発表されていないという。
クリウムは「サイバー攻撃で使われたIPアドレスの一つである「202.90.137{.}42」の背後でどのような組織や機関が動いていたのか、政府はまだ説明していない」としている。
クリウムはさらにサイバー攻撃に利用された電子メールアドレスを公表し、こんな問いを発した。
「acepcionecjr@army.mil.ph は誰のメールアドレスですか? 」
〈Source〉
DOST, Army asked to clarify alleged links to cyberattacks, ABS-CBN News, June 30, 2021.
情報処理推進機構(IPA), 2010, 『サービス妨害攻撃の対策等調査報告書』.
DoS攻撃・DDoS攻撃の意味と対策方法をわかりやすく解説, CyberSecurityTIMES, 2020年7月6日.