Yaki
何の罪もない尊い命が、政権を維持するだけの為に奪われる。そんなことが日常的に起こっている国がある。
岩波書店の雑誌『世界』の「ネグロスからの手紙」でクラリッサ・シングソン氏は、すでに命を狙われた身を挺して訴えかけてくる。その内容は想像を超えている。どうして国際社会は、このようなことを許しておくのか、とまっ先に考える。けれどもすぐにわかる。みんな「知らないから」「無関心だから」だ。
Silence is Violenceとキング牧師は言った。私たちが黙っている事が、政府の弾圧を受けているフィリピンの人たちに対する暴力となってしまう。それは、私たちの問題だ。
「フィリピンに人権を」と立ち上がったSACによって、多くの日本人がネグロス島で起こっている労働者の不当逮捕や殺害について知るようになった。私たちは、もはや、黙っていることは出来ないはずだ。
さらに言えば、世界中で、様々な形で大切な命が踏みにじられている現代、フィリピンの問題は他人事ではない。人権侵害被害者に思いを寄せ、支援し、無事を祈る気持ちは、ひとりひとりが大切にされる世界を一緒に作っていくための連帯だ。
SACのメンバーは、日本の外務省や首相に「フィリピンの超法規的殺害の停止を求める緊急申し入れ書」を提出するなど、政治的なアクションも展開している。私には、何が出来るだろう。ささやかながら寄付、そして、イベントやセミナーなどへの参加を通して、少しでもSACの活動を支えられればと願っている。
「ひとりの微力が大きな力になる」という大好きな言葉を見つけてうれしくなった。 コロナ禍の中、フィリピンの人権活動家や被害者のみなさん、そしてSACのみなさんのご健康とご活躍を心からお祈りしています。