◆2024年12月1日(日)
銃器所持、殺人、暴行の容疑で起訴され、5年間勾留されていた3人の農民が、ようやく保釈され、一時的に自由の身となった。3人はそれぞれ10万ペソの保釈金を支払った。
イロイロ州イグバラスの3人は、2019年3月に逮捕された。この時、3人の主張によれば、彼らは国軍に第61歩兵大隊に爆発装置の入った箱を運ぶよう強要され、その箱を持っているところを写真に撮られた後、フィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)メンバーとして逮捕された。
Iloilo farmers accused of being NPA get to post bail after 5 years, Rappler, December 1, 2024.
◆2024年12月3日(火)
コルディリエラの活動家サラ・アベロン=アライクスは、5つの刑事告発を乗り越え、政府からのテロリスト指定の後、テロ資金調達防止法(2012年フィリピン共和国法第10168号)違反の容疑に直面している。
アライクスは、チコ・ダム計画に対する抵抗運動で北ルソン教区を率いたフィリピン・エピスコパル教会初代主教、故リチャード・アベロン主教の娘である。
サラと共に起訴されたジェイムス・カプヤン。両人は、北ルソンにおけるテロ資金供与で起訴された5人目と6人目である。コルディリエラ人権同盟は、これらの告発を捏造と批判し、また、金融活動作業部会(FATF)グレイリストからの脱退を試みるフィリピン政府によるアピール活動の一環と見ている。
ディフェンドNGO同盟によると、2024年10月31日現在、全国で21団体59人の活動家がテロ関連容疑に問われている。
After terrorist designation, Igorot activist faces terrorism financing charge, Rappler, December 3, 2024.
After terrorist tag, Cordillera activist now charged with financing terrorism, NORTHERN DISPATCH, December 2, 2024.
◆2024年12月4日(水)
11月28日、ラグナ州のファミー町で、先住民族ドゥマガットのスーザン・リチュアル(40歳)が国軍第80歩兵大隊に殺害された。 国家警察と国軍の報告によると、リチュアルは共産党軍事部門新人民軍(NPA)のメンバーで、銃撃戦の中で死亡した。だが、同大隊は、リチュアルの遺体が安置されている葬儀社へ親族が入ることを許さなかった。
民族民主戦線ラグナによれば、同大隊兵士らはファミー町にあるグループの家を無差別に銃撃し、その結果リチュアルが死亡した。また、同大隊は、銃撃戦の中で子供らを無理矢理押さえつけ、縛った。
民族民主戦線ラグナは、これらの行為はジュネーブ条約にも、人権と国際人道法の尊重に関する包括協定にも明らかに違反していると批判している。
Soldiers deny Dumagat family’s right to claim kin’s remains, Bulatlat, December 4, 2024.
◆2024年12月6日(金)
12月4日、約40人の国軍兵士が、農民コミュニティの近くにあるアロギンサン州ボンボン所有の食肉処理場に駐屯地を設置しようとし、住民がそれに抵抗した。
同地域では農民らへのハラスメントが続いている。
2011年8月、300人以上の制服警官は、ボンボンの農民らが長年にわたり権利を主張している土地に設置したバリケードを、暴力的に破壊した。
2022年のパンデミックの最中、国軍が彼らのバランガイに宿営し、農民団体メンバーに対して継続的に嫌がらせをした。
ALERT | Approximately 40 members of the AFP attempted to set-up a camp at a slaughterhouse owned by the LGU of Bonbon, Aloguinsan near a famers’ community yesterday, December 4., Facebook page of Tug-ani, December 6, 2024.
◆2024年12月6日(金)
地方裁判所は、ビコール州運輸リーダー、ラモン・レスコビラに対する銃器・爆発物不法所持容疑を破棄した。
レスコビラは2020年9月7日、ダラガで、殺人容疑に関する2020年7月3日付逮捕状で逮捕された。
Court junks charges against Bicol Transport Leader, ordered released, Facebook page of Baretang Bikolnon Online, December 6, 2024.
◆2024年12月12日(木)
12月5日、イロイロ市で、トーマス・ドミナド(74歳)がテロリストとして逮捕された。
ドミナドは、2023年に発症した脳梗塞のために右側麻痺があり、車いすを使っている。逮捕された際、血圧が上昇し、勾留される前に受診した。だが12月7日、再度、呼吸苦と左足の腫脹を訴え、12月8日に受診し、治療が必要と認められた。12月11日、ドミナドの弁護士は、裁判所に対し治療を求める申立をしたが、彼は未だに勾留されている。
Family decries medical neglect of detained elderly tagged as ‘terrorist’, Rappler, December 12, 2024.
◆2024年12月14日(土)
SMNIの司会者ロレイン・バドイ(前上院議員)とジェフリー・セリズに対して200万ペソの損害賠償訴訟を起こしていたジャーナリストのアトム・アラウロが、勝訴した。
アラウロと彼の母親がフィリピン共産党(CPP)党員であり、NPAおよび国民民主戦線(NDF)とつながっているとして赤タグ付けされた件で、アラウロは訴訟を起こしていた。
Atom Araullo wins P2M damages in red-tagging case vs Badoy, Celiz, philstar.com, December 14, 2024.