労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年7月26日(金)
マスバテ州の地方裁判所第49支部のテオフィロ・タンバゴ判事が、ラメシス・シソン、ジェイ・アルファロ、ベン・ギガンテ、ピーター・コーパス、フェル・モナレスのメディア関係者5人に対して2024年7月12日に出した逮捕状の取り下げを命じた。
彼らは、その他3人と共にフィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)のメンバーとして殺人罪で起訴されていた。
この殺人罪というのは、2022年8月12日にマスバテ州ピオ・V・コーパス町でバージル・アリエスガド(26歳、農民)が殺害された事件。アリエスガドは、竹でできた家に座っていたところを近づいてきた集団に至近距離から撃たれ死亡した。
シソンら5人は、マスバテ州政府の不正取引疑惑を暴露したために嫌がらせ目的で起訴されたと疑っている。
Masbate court withdraws arrest warrant vs media workers in murder case, Rappler, July 26, 2024.
◆2024年8月7日(水)
人権擁護団体カラパタンが、マルコス政権下、農民らが殺害され続けている現状を非難した。
カラパタンによれば、現政権下、超法規的殺害の犠牲となった87人のうち59人が農民で、ほとんどは殺害される前に赤タグ付けされていた。また、87人のうち65人は東ビサヤ地方、西ビサヤ地方、ビコール地方の出身で、これらはドゥテルテ前大統領によって厳重に軍事化された地域である。
東西ネグロス州においてもっとも多くが殺害されており、「殺戮の場」「ファシズムの実験場」と呼ばれている。 施政方針演説の1週間後にも、西ネグロス州カウアヤン町で農民のラモン・エンセニアレスが拉致され殺害された。カラパタンによれば、これは、フィリピン国軍第5歩兵大隊とフィリピン国家警察特殊行動部隊による犯行である。
Peasant killings continue under Marcos Jr., Bulatlat, August 7, 2024.
◆2024年8月12日(月)
人権団体「コルディリエラ人民連合」は、反マネーロンダリング審議会による資産凍結命令を不服とする控訴裁判所への申し立てが棄却されたために、最高裁に対して控訴裁判所の判決を覆すよう申し立てた。
Cordillera activists assail AMLC freeze order, Philstar.com, August 12, 2024.