労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年5月20日(水)
レムリア司法長官は、5月20日の記者会見の席で、2012年にCERNET(セブを拠点としてビサヤ諸島のコミュニティの貧困を軽減するためのNGO)がフィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA) 南東部戦線に現金 13万5000 ペソを提供した十分な証拠があるとして、有罪判決を確実にするために「さらなる努力をし」、「テロ資金提供者全員を刑務所に入れる」よう指示したと表明した。
【コラム】今なお深刻な活動家への弾圧,Stop the Attacks Campaign, 2024年5月23日.
◆2024年5月22日(水)
下院議員らが、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領のドラッグ戦争に関する内部告発者を下院での調査に呼んだ。議会の調査は、マバラカット、パンパンガ、スービック湾などで押収された数十億ペソのシャブを対象としている。
Lawmakers invite Duterte drug war whistleblowers to attend House probe, Rappler, May 22, 2024.
◆2024年5月24日(金)
西ネグロス州を拠点とするコミュニティ開発NGO PDGは、銀行口座凍結はPDGの活動に影響を及ぼすだけでなく、草の根レベルのサービス提供に支障を来していると訴えた。
PDGは、自治体開発計画審議会のメンバーであり、包括的農地改革計画を推進する活動をしている。最新のデータによれば、2000ヘクタールの農地で働く4400人以上の農民を支援。
Civil societies sound alarm over gov’t use of terror financing charges to paralyze their services, Bulatlat, May 24, 2024.
◆2024年5月25 日(土)
パーティリストのカバタアン党は、国軍がリサール州タイタイ高校で開催したセミナーで、合法的な活動家組織とフィリピン共産党とその軍事部門新人民軍(NPA)とを結びつけるような内容のパンフレットを配布したと非難した。
このセミナーは、第80歩兵大隊とリサール州教育省との間の覚書に基づき、また2023年のリサール州決議第3号に沿って開催された。生徒と保護者は事前通告なしにセミナーへの出席を義務付けられた。
リサール州決議第3号は、テロリストの勧誘や搾取から弱い立場の人びとを守るための地域情報プログラムを支援するもの。
Group blasts ‘AFP-led seminar’ for handing out red-tagging pamphlets at Taytay SHS, Philstar.com, May 25, 2024.
◆2024年5月25日(土)
国家人権委員会は、4月10日以来行方不明のウイリアム・ラリオサに関して知っていることがあれば捜査グループに知らせるよう、一般市民に要請した。
ラリオサは労働者団体である5月1日運動のメンバで、ブキドノン州ケソン町で国軍の工作員だと思われる者たちに連れ去られた。
Group blasts ‘AFP-led seminar’ for handing out red-tagging pamphlets at Taytay SHS, Philstar.com, May 25, 2024.
◆2024年5月 31日(金)
5月26日18時頃、ビリラン州カワヤン町にある自宅で姪とテレビを見ていた修道女マリア・ジェンマ・オニパ(75歳)が、突然入って来た犯人に撃たれて受傷した。オニパ修道女は入院中だが、快方に向かっている。
警察捜査官は、5月26日にビリラン州カワヤン町で発生した宣教修道女射殺事件の捜査に着手した。
オニパ修道女は、土地紛争を抱える人びとの支援にあたっていた。
Nun wounded in slay try in Biliran, INQUIRER. NET, May 31, 2024.