【人権侵害タイムライン】
2024年3月18日~3月30日

【写真】(上)3月24日に拉致された環境保護活動家,(左下)セバスチャン・ドゥテルテダバオ市長/via Environmental defenders found after reported abduction in Pangasinan, Philstar.com, March 28, 2024., Drug war restarts in Davao, The Manila Times, March 26, 2024., 7 Davao City cops in new drug war axed, Philstar.com, March 28, 2024.

労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。


訟務長官室(OSG)は、拉致された環境保護活動家ジェド・タマノとジョニラ・カストロが人身保護を求める事前協議を「書類の多さ」で欠席。

タマノとカストロの弁護士は別の申し立てで、OSGのこの動きは裁判所に対する「無礼」な行為であり、環境活動家たちの迅速な裁判を受ける権利を「危うくする」と述べた。

OSG misses Castro, Tamano preliminary conference due to ‘sheer number of documents’, Philstar.com, March 19, 2024.

ひと月前に西ネグロス州エスカランテ市の「遭遇戦」において殺害された3人のうちの一人、ホセ・カラミハンの娘チャルリンが、陸軍大隊長と兵士が現金と物資をもって自宅を訪問し、さらなる支援を約束する申し出をしたと証言した。

ホセの家族は、国軍の行為は、ホセの殺害に関する和解を試みる行為であると見ている。国軍兵士らが被害者宅を訪問したのは、国家人権委員会がこの「遭遇戦」などに関する調査を開始した日と重なった。

〈これまでの経緯〉

国軍は、上記3人(女性1人を含む)をNPAのメンバーとし、2024年2月21~23日に別々に発生した「遭遇戦」において殺害したと発表。また、これら「遭遇戦」に続き、国軍は同市において2月22日、空爆を実行した。少なくとも住民300人が避難を余儀なくされた。

ホセの家族は、ホセがNPAメンバーであるという国軍の主張を否定している。また、NPAのスポークスパーソンは、空爆の前に「遭遇戦」があったという国軍の主張を否定している。

Slain farmer’s kin allege Army settlement bid amid probe into Negros clashes, Rappler, March 21, 2024.
3 NPA rebels killed, 4 gov’t troopers hurt in northern Negros clash, Philippine News Agency, February 22, 2024.
3 ‘rebels’ killed in Negros Occidental clashes, The Philippine Star, February 23, 2024.
Military launches airstrike after fierce clashes in Negros Occidental, Rappler, February 23, 2024.


パンガシナン州サン・カルロス市で、3月24日20時頃、環境保護活動家のフランシスコ・「エコ」・ダングラ・Ⅲとアキシリア・「ジャク」・ティオンが重傷を負わされ、待機していた車に引きずり込まれて拉致されたと、カラパタン中央ルソン支部が述べた。

Environmental activists ‘abducted’ in Pangasinan — groups, philstar.com, March 25, 2024.


最高裁は、ラップラー社のCEOマリア・レッサのサイバー名誉棄損裁判の上告審において、国連特別報告者に意見書の提出を認めた。

SC allows UN rapporteur Khan to submit opinion in Ressa’s libel appeal, Rappler, March 25, 2024.


ダバオのセバスチャン・「バステ」・ドゥテルテ市長(ドゥテルテ前大統領の娘であるサラ副大統領の弟)がドラッグ戦争を宣言した2日後、24時間にわたって5人のドラッグ容疑者が別々の事件で射殺された。

同市長は、3月22日に開催されたリチャード・バドアン新市警察本部長の就任式において、「もし自ら去らないなら、私はお前たちを殺す」とドラッグ売人やユーザーに警告した。

さらにビサヤ語で、ドゥテルテ前大統領の言葉を繰り返し、「お前たちの利己的な事業のために、私らの家族、コミュニティを破壊させる訳にはいかない。お前たちは、ただドラッグを売って金持ちになりたいだけで、強欲のために他人の生活を破壊している」と述べた。

Drug war restarts in Davao, The Manila Times, March 26, 2024.

司法省は、レオノール・タギノッド・ドゥムラオとヴァレンティン・クルス・トレンティノをフィリピン共産党(CPP)とフィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)のためにテロ資金を調達したとして起訴した。

DOJ charges 2 alleged NPA financiers with terrorism financing, Philstar.com, March 27, 2024.


ベンジャミン・アコルダ・ジュニア国家警察長官がダバオにおけるドラッグ戦争関連の殺害について調査を命じ、警察官7人が職を解かれた。

ダバオのセバスチャン・「バステ」・ドゥテルテ市長がドラッグ戦争を宣言したあと1週間足らずで、すでに7人のドラッグ容疑者が射殺されている。

7 Davao City cops in new drug war axed, Philstar.com, March 28, 2024.


人権団体などが、24日拉致された環境保護活動家のフランシスコ・「エコ」・ダングラ・Ⅲとアキシリア・「ジャク」・ティオンが、発見されたと発表した。

人権擁護団体や環境保護団体などから構成されるファクトファインディング・ミッション・チームは、彼らは傷つきながらも生きており、もはや拉致犯の手中にないことが確認できてほっとしていると述べた。

Environmental defenders found after reported abduction in Pangasinan, Philstar.com, March 28, 2024.
2 climate activists found, Bulatlat, March 28, 2024.

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