労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年1月29日（月）
言論の自由に関する国連特別報告者アイリーン・カーンは、週末にタクロバン市の拘置所に拘束されているジャーナリストと2人の人権擁護活動家を訪ね、「彼らは自由になるためにどれだけ待たなければならないのか」と述べた。
UN’s Irene Khan visits detained activists, draws NTF-Elcac’s ire, INQUIRER. NET, January 29, 2024.
◆2024年1月29日（月）
司法省は、2023年9月2日に拉致されたジョニラ・カストロとジェド・タマノの両環境活動家に対する名誉棄損の刑事告訴を、NTF-ELCACに勧告した。
カストロとタマノは、同年9月23日に政府当局が2人を「（NPAからの）投降者」として紹介するはずだった記者会見において、当局の意向に反して「国軍に拉致された」と述べた。この件につき司法省は、「カストロとタマノはNTF-ELCACと国軍を世間の嘲笑の的にし、不利益を与えようとした」と主張している。
DOJ recommends filing of grave oral defamation vs abducted activists Tamano, Castro, Philstar.com, January 29, 2024.
◆2024年2月1日（木）
2024年1月31日、ダバオ暗殺部隊（DDS）の殺し屋だった元警察官アルトゥロ・ラスカニャスが記者団に対し、非公開の場所からオンラインで、昨年2月に国際刑事裁判所（ICC）へ提出した宣誓供述書における主張について詳細を語った。
ラスカニャスによれば、残忍なドラッグ戦争の作戦「オプラン・トクハン（容疑者とされる人物宅のドアをノックし、自首を求める作戦）」は、当時ダバオ市長だったサラ副大統領の発案によるもので、また、当時同市副市長だったパオロ・ドゥテルテ下院議員（ドゥテルテ前大統領の長男）はドラッグ密輸組織を率いていたと主張した。
ICCによるドラッグ戦争捜査において、ドゥテルテきょうだいに言及されたのは今回が初めてである。
Ex-cop links Duterte siblings Paolo and Sara to ‘drug war’ dirt, INQUIRE. NET, February 1, 2024.
Conversations with Arturo Lascañas Part 3: ‘Polong was the mastermind in the smuggling of shabu in the Port of Davao’, VERA Files, January 19, 2024.
◆2024年2月3日（土）
表現や意見の自由に関するアイリーン・カーン国連特別報告者はフィリピン政府に対し、人権擁護活動家や独立系ジャーナリスト、批判者らに赤タグ付けすることによって彼らを危険にさらしていると非難されているNTF-ELCACを廃止するよう求め、「時代遅れ」であると述べた。
UN expert: Time to scrap anticommunist task force, INQUIRER. NET, February 3, 2024.
