労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年7月27日(木)
市民社会組織と活動家らの世界的な同盟であるCIVICUSが、司法制度を乱用した嫌がらせやテロリストに指定されることによって人権擁護活動家らの命が危険にさらされているとして、マルコス大統領に対し公開書簡を送った。
Philippines: Halt harassment against human rights defenders, CIVICUS, July 27, 2023.
◆2023年7月27日(木)
活動家のレイナ・メイ・ナシノとその仲間が、銃器と爆発物の不法所持に関するすべての容疑について無罪を言い渡されたと公表された。
妊娠していたナシノとその仲間は、2019年11月5日に、進歩的なグループ バヤンの事務所での捜索活動の際に逮捕された。彼らは、容疑はでっち上げであると主張していた。
ナシノは勾留中に出産したが、子どもは生後3か月で死亡した。
Manila court dismisses all charges vs Nasino, 2 others, Philstar.com, July 27, 2023.
◆2023年7月27日(木)
マルコス大統領は、約7年前に宣言されたミンダナオ島における国家非常事態宣言を解除した。
State of national emergency due to violence in Mindanao ends, Philstar.com, July 27, 2023.
◆2023年7月27日(木)
レムリア司法長官は、7月26日にニュー・ビリビッド刑務所の浄化槽内で発見された遺体は行方不明になっている受刑者マイケル・アンジェロ・カタロハではないと明らかにした。
刑務所内で遺体が発見されたのは今回が初めてではない。たとえば、ジャーナリストのパーシー・ラッピッド殺害事件の捜査中には、176体の遺体が発見されている。
Remulla: More mass graves may be inside Bilibid, Rappler, July 27, 2023.
【参考】176 bodies of Bilibid PDLs unclaimed in funeral home, The Philippine Star, November 8, 2022.
◆2023年7月28日(金)
農地改革支持者全国ネットワーク‐青年部(NNARA-Youth)の全国事務局長カリーナ・メイ・デラ・セルナとその両親の保釈が公表された。カリーナとその父アルベルトは2019年10月31日以来、母マルピは2022年3月以来勾留されていた。
デラ・セルナ一家は保釈されたが、依然として、国家による監視と嫌がらせに直面しているという。
NEWS RELEASE: National Deputy Secretary General and Youngest Political Prisoner in Negros, Karina Dela Cerna, Released on Bail, Facebook page of NNARA-Youth, July 28, 2023.
【参考】
【コラム】家族みんなで政治犯になったデラ・セルナ家, SAC, 2022年9月11日.
【コラム】一家で政治囚となったカリーナ親子と再会、バコロド拘置所にて(その1),SAC, 2023年1月22日.
【コラム】一家で政治囚となったカリーナ親子と再会、バコロド拘置所にて(その2),SAC, 2023年1月29日.