労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年4月26日(水)
国軍のビサヤ地域司令官は、4月24日、民族民主戦線(NDFP)の平和コンサルタントで共産党軍事部門新人民軍(NPA)幹部とされるロジェリオ・ポサダスが殺害されたと発表した。
NDFPによると、ポサダスと同志であるリングラス・マルトゥリナスは、雇われたバイク運転手二人と共に、4月19日18時頃から行方不明になっていた。
国軍は、一連の戦闘でポサダスを殺害したと主張している。だが、NPAは、ポサダスは無防備であったにも関わらず移動中に拘束され、拷問を受け殺害されたと述べた。
Missing NDFP peace consultant killed by AFP, KODAO PRODUCTION, April 26, 2023.
◆2023年4月26日(水)
ジーザス・クリスピン・レムリア司法長官は、反テロ評議会が東ネグロス州第3地区選出のアーニー・テヴェス下院議員(停職中)をテロリストとして指定する手続きを開始したと明らかにした。
DOJ starts process to designate Arnie Teves a ‘terrorist’, Rappler, April 26, 2023.
◆2023年4月26日(水)
地域裁判所のマイケル・ヴィト判事は、2018年11月1日に発生したペディキャブ(バイクに客席を取り付けた3輪の乗り物)運転手のロジャー・ヘレロ・ジュニア殺人未遂事件について、ケソン州の警官4人に対し懲役5年8か月から10年の判決を下した。
警官らはヘレロ・ジュニアが捜査中の警官らに発砲し銃撃戦となったと主張。
だが、警官らが銃撃戦となったという地域で銃声を聞いた住民はいなかった。また、ヘレロ・ジュニアは、「警官に拘束され、泥棒だと非難され自白を迫られ、頭を押さえつけて殴られた。認めないと殺すと脅迫され、最終的に草むらに連れて行かれ至近距離から頭部を撃たれた」などと述べた。
意識を取り戻したヘレロ・ジュニアは助けを求め、病院へ搬送された。彼は、数か所の病院で数回の手術を受け、頭部の銃弾を取り除き、顎などを形成することができた。
4 cops in Quezon found guilty in 2018 attempted murder of pedicab driver, Rappler, April 26, 2023.
◆2023年4月28日(金)
西ネグロス州のNPA指導者とされるロジャー・ファビリアーの逮捕につながる情報に対して100万ペソの報奨金が提供された。
ファビリアーらは、国軍への情報提供者と思われる市民を殺害したとされる。
P1 million reward up for Negros rebel leader’s arrest, The Philippine Star, April 28, 2023.
◆2023年4月29日(土)
先住民族の人権活動家であるメアリー・ジョイス・リサダとアルヌルフォ・「オンポン」・オーメンタドが2023年4月24日から行方不明になっていると、人権擁護団体カラパタン南タガログ支部が報告を受けた。
人権団体によれば、二人は、オリエンタル・ミンドロ州マンサライのサンタ・テレシタ村において、同地域に配備されている国軍による人権侵害について調査していた時に、国軍によって拉致された。
Alert, Facebook page of Kalikasan, April 29, 2023.