労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年3月20 日(月)
東ネグロス州のロエル・デガモ州知事殺害事件に関して、もう一人の容疑者が当局に自首したと、調査を主導するタスクフォースが発表した。
これまでのところ、デガモ州知事殺害とその他26人に対する殺傷について30件の告訴状が提出されている。
Another suspect, tagged as main player in the killing of Degamo, surrenders, Philstar.com, March 20, 2023.
◆2023年3月21日(火)
漁民グループ Pamalakaya(パマラカヤ)が声明において、ルソン島北部のラ・ユニオン州で、パマラカヤのメンバー4人が「偽の投降」計画に巻き込まれる被害にあったと報告した。
4人は支援金を支給すると言われ会場に行ったが、それはフィリピン国家警察による「偽の投降」計画だった。4人の漁師は、リンガエン湾沖合での磁鉄鉱採掘計画に反対するキャンペーンにも積極的に参加していた。
Fisherfolk victimized by fake surrender scheme, Bulatlat, March 21, 2023.
◆2023年3月22日(水)
3月21日に、国際刑事裁判所(ICC)の控訴審部は「被害者の参加と賠償部」に対して、関心のある被害者や被害者グループからの表明を収集し、控訴審部へ送信するよう指示した。報告書は、2023年5月22日までに提出される。
ICC: Victims, families can participate in drug war proceedings, Rappler, March 22, 2023.
◆2023年3月23日(木)
フィリピン教会協議会(NCCP)は国連人権理事会に、マルコス政権下でもドラッグ戦争に関連した殺害は継続していると述べた。
マルコス政権下、ドラッグ戦争関連の殺害は223人。
Church worker reports to UN: 223 drug-related killings under Marcos Jr., Philstar, March 23, 2023.
◆2023年3月23日(木)
フィリピン政府は、ICCのドラッグ戦争調査再開を阻止するために、国際弁護士サラ・バファデルを雇った。
Philippines taps foreign lawyer in ICC drug war probe, Philstar, March 23, 2023.
3月22日から、南マギンダナオ州とコタバト州の境界線で、ダウラー・イスラミヤに対する国軍の集中攻撃が実行された。武装勢力容疑者二人が殺害され、避難民が出ている。
Military launches ‘focused’ offensive vs terror group on eve of Ramadan, Rappler, March 23, 2023.
◆2023年3月23日(木)
「9月21日運動」は、西ネグロス州ヒママイラン市カバディアンガン村に住む農民団体メンバーのレオナルド・セルモナ・ジュニア(28歳)が3月16日から行方不明になっていると報告した。
94TH IB INFLICTS HUMAN RIGHTS VIOLATIONS IN SOUTHERN NEGROS, PAGHIMTAD, March 23, 2023.
◆2023年3月24日(金)
2023年1月に拉致された地域開発活動家のディアン・グマナオは、国連人権理事会に対して、3月23日、人権侵害の被害者らの闘いを支援するよう要請した。
グマナオと一緒に拉致されたパートナーのアーマンド・ダヨハは、活動家であることを理由に処刑すると脅迫された。
Cebu abduction survivor to UNHRC: ‘Help us seek justice’, Rappler, March 24, 2023.
Facebook of Altermidya, March 24, 2023.
◆2023年3月24日(金)
「マルコス大統領が、3月23日に、フィリピン共産党(CPP)とその軍事部門新人民軍(NPA)に終止符を打つよう命じた」と、ロメオ・ブラウナー・ジュニア陸軍主席中将はカガヤン・デ・オロ州の第4歩兵師団の新司令官に伝えた。
政府とCPP-NPAの和平交渉の再開計画はなく、マルコス大統領は、軍事力の行使を継続する選択をした。
No sign of peace talks: Military campaign to finish off NPA continues, Rappler, March 24, 2023.
◆2023年3月24日(金)
政治囚の支援をしているKapatid-Negros(カパティッド-ネグロス)は司法省に対し、「介入」し政治囚の無条件釈放という彼らの呼びかけを支援するよう要請した。
最新のデータによると、フィリピン国内には819人の政治囚がおり、そのうち141人(20%は女性)はネグロス島に収監されている。
Negros-based rights group highlights plight of 141 political prisoners, MANILA BULLETIN, March 24, 2023.
◆2023年3月25日(土)
人権擁護者に関する国連特別報告者メアリー・ローラーは、ジュネーブで開催中の国連人権理事会第52回定例会で、ルソン島中部の活動家失踪事件を調査するようフィリピン政府に促した。
UN expert presses PH gov’t to protect rights defenders, probe missing community organizer, INQUIRER. NET, March 25, 2023.