人権侵害を「コロナ・パンデミックを言い訳にするな」 芸術家ら訴え

【写真】独立メディア・ラプラー制作の動画「#CourageON: No lockdown on rights」の一場面。動画はこちら(https://www.facebook.com/watch/?v=158765132916251)から

【10日=東京】フィリピンの人権団体や芸術家グループが、新型コロナ禍下で強まる超法規的殺害や人権侵害を監視する連合グループ「#CourageON: No lockdown on rights」を立ち上げ、5日に発足のオンラインイベントを開催し、「ドゥテルテ政権はコロナ・パンデミックを人権侵害の言い訳にしてはならない」と訴えた。

― 8 団体が「#CourageON」に参加

 SACの取材に応じた関係者によると、「#CourageON」には、人権NGOカラパタンやフィリピン・ジャーナリスト連合、フィリピン人権委員会、独立メディア・ラプラーの市民活動部門「ムーブ・フィリピン(MovePH)」など8団体が参加した。

 発足式でフィリピン芸術家協会のビベス・オルテッサ氏は、「私たちの国で起こっていることに対して、問いかけ、調査し、解決策を求める権利を奪うことはできません」。また、「健康に対する人びとの権利連合(Coalition of People’s Rights to Health)」のジョシュア・サンペドロ氏は、「ウイルスに対する免疫力を高めようとするとき、不公正や深刻な病のより深い根源に対し、私たちのコミュニティの抵抗力も強めていこう」と強調した。

 発足式3日前の2日には、ジャーナリスト連合カピス州支部の元支部長、ジョン・ヘレディアさん(54)が殺害されるなど、「#CourageON」では危機感を強めている。

― 国家警察による殺害 ロックダウン前より増加

 新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、フィリピンではロックダウン等の規制が2020年3月上旬から実施されている。同年3月31日から7月31日の期間中、違法薬物取締捜査における国家警察による殺害がロックダウン前(2019年12~2020年3月)の約1.5倍に上っているとの報告もある。

〈Source〉
#CourageOn coalition to Duterte gov’t: No excuse for abuse during pandemic, Rappler, MAY 6, 2021.
Bayan Negros and Kalapatan Negros Island Vehemently Condemns the Killing of John Heredia, Kalapatan Negros, May 2, 2021.
Fact check: Reported increase in ‘drug war’ deaths amid pandemic is backed by gov’t data, philstar, September 22, 2020.
Masked Gunmen Kill Capiz Town Administrator, The inquire, May 2, 2021.

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Painting:Maria Sol Taule, Human Rights Lawyer and Visual Artist

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