【人権侵害タイムライン】(2025年12月15日~12月27日) 

【写真出典】(人びとの後ろ姿)Sitio Marihangin residents fight unfavorable temporary restraining order, BULATLAT, December 20, 2025.,(リゾート)LOVE The Philippines,フィリピン観光情報ホームページ.

パラワン州に属するブグサックという小さな島でリゾート大規模開発をめぐり先住民族らが法的手段を用いたハラスメントに、農民女性が寝ているところを押し入った二人組に銃殺される、学生活動家が大学構内で警官から尋問される、若手農民活動家セギンへの弾圧が銃を向けられるところまでエスカレートなど。


パラワン州バラバク町に属するブグサックという小さな島で、先住民族が「ここは自分たちの土地である」と主張する9人から立ち退きを求められている。9人は、先住民族である住民らが「土地所有権を放棄する書類に署名した」と主張し、地方裁判所は、審問からわずか4日後に一時的差し止め命令を発行した。この命令に従わなければ、住民らは間接的な法廷侮辱罪とみなされ、3万ペソの罰金、または6か月の禁固刑、あるいは、その両方を科される可能性がある。

住民らは、「土地所有権を放棄する書類に署名した」との9人の主張を全面的に否定している。また、住民らの弁護人は、先祖伝来の土地を売却したりその権利を放棄したりすることは、先住民族権利法において禁止されていると述べた。同法において、先祖伝来の土地は、コミュニティ全体の所有物であって個人の判断で売買できるものではないとされる。

住民と支援者らは、武装した警備員を同島へ送るなどのハラスメントを含む住民らへの一連の攻撃は、サン・ミゲル社がバラバクで進めている高級観光開発プロジェクトに関連していると述べている。

Sitio Marihangin residents fight unfavorable temporary restraining order, BULATLAT, December 20, 2025.
Marihangin residents, allies fear holiday invasion of ancestral land, BULATLAT, December 23, 2025.
50 years after Martial Law, land war still haunts Palawan’s Bugsuk Island, Rappler, Jun 12, 2025.


2人の私服警官が、若手活動家アレックス・ベルグラに聞き取りするために、ベルグラが通うレイテ師範大学にまで立ち入った。それは、ベルグラが、国家人権委員会に苦情を申し立てた数日後のことだった。

同警官らは、ベルグラが12月10日に国家人権委員会に対して申し立てた苦情について尋問した。

ベルグラによる苦情申し立てとは、12月2日の夜遅くに警官が彼の家を訪問し「お前は国軍の『ブラックリスト』に載っている」、「拉致されるかもしれないからデモに参加するな」などと警告したことに関してだ。

Youth activist, family harassed anew after filing CHR case vs cops, BULATLAT, December 22, 2025.


南タガログ地方の主要な農民活動家であるジェバリン・セギンに対する弾圧が激化している。

セギンへの弾圧は、2004年、オンライン上の攻撃から始まった。徐々に攻撃はエスカレートし、国軍は、遠隔地のコミュニティにおいてセギンの写真を配布し彼女をフィリピン共産党やその軍事部門新人民軍(NPA)と結び付けたり、遠隔地で活動しているセギンに銃を向けたりした。

さらに、NTF-ELCACに関連するフェイスブック・ページにおいて、少なくとも20回にわたりセギンはテロリストとして名指しされている。

人権擁護団体は、セギンへの攻撃パターンは国家主導の抑圧キャンペーンの明白な証左であり、その最前線がNTF-ELCACと国軍なのだと述べた。

State forces under NTF-ELCAC, SOLCOM target peasant organizer, BULATLAT, December 23, 2025.


最高裁判所は、ドラッグ戦争でキアン・ロイド・デロス・サントスを殺害した警官3人に対して殺人罪の有罪判決を下した。

SC affirms conviction of Kian’s killers, BULATLAT, December 24, 2025.


12月23日23時頃、西ネグロス州カバンカラン市で、ワルリタ・ジメネスが殺害された。 ワルリタは、2023年に殺害されたジョセフ・ジメネスの妻。ジョセフは、同地域で、和平コンサルタントのエリクソン・アコスタとともに殺害された。国軍は、遭遇戦の中で殺害したと主張したが、住民はそれを強く否定しいた。

Peasant leader, wife of slain farmer shot dead in Kabankalan ahead of Christmas, PAGHIMUTAD, December 24, 2025.

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