労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2025年12月4日(木)
コルディリエラ人権同盟によると、国家警察大佐のギルベルト・ファティイグ率いる警察が、カリンガ州キヌクプックにあるエルマ・アウィンガン-トゥアゾンの自宅に押し入った。幸い、その時、エルマと子どもらは不在にしていた。エルマの夫は海外出稼ぎをしている。
エルマらに対するハラスメントは、11月21日に発生した国軍とフィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)との銃撃戦後に悪化した。
エルマは、先住民族カリンガのリモス族に属しJBD水力発電が進めるサルタン・ダム計画に反対する熱心な活動家。
Rights group, kin denounce harassment in Kalinga, BULATLAT, December 4, 2025.
◆2025年12月4日(木)
12月1日、タクロバンで、カバタアン・パーティリストのアクセル・ベルグラが、国家刑警察によって自宅を訪問され、11月30日に実施された反汚職デモに参加したことなどについて尋問を受けた。
Tacloban youth activist harassed after November 30 protest, BULATLAT, December 4, 2025.
◆2025年12月5日(金)
12月3日、西ネグロス州の地方刑務所において、収監者らがハンガーストライキを実施した。
収監者らは、残虐で、非人道的、屈辱的な扱いについて抗議している。
収監者や人権擁護団体らによると、ブレンダン・フルヘンシオ刑務所管理刑罰局長管理下の同刑務所の状況は悪化しており、クリスレル・アウェ刑務所長が戻ってきたことでさらに悪化した。
同刑務所では、8月24日から28日にも、収監者らが音による抗議行動を実施した。
Detainees hold hunger strike due to inhumane treatment, BULATLAT, December 5, 2025.
◆2025年12月6日(土)
マニラの地方裁判所は、係属中の案件において、全国人民弁護士連合を非合法の組織、およびフロント組織の一部であると特定した。
全国人民弁護士連合は、赤タグ付けが正式な司法の場にまで及んでいると書簡において強調した。
Lawyers turn to SC to denounce courtroom red-tagging, BULATLAT, December 6, 2025.
◆2025年12月7日(日)
ビコール地方におけるコミュニティベースの災害管理に携わるTABIのスタッフらが、赤タグ付けのポスターに掲載されるなどのハラスメントを受けている。
そのポスターは、アルバイ州、ソルソゴン州、南カマリネス州の市や町に貼られ、TABIのメンバーらをフィリピン共産党新人民軍(NPA)と結び付けるものだった。
TABIは、12月4日にも、台風で被害を受けた南カマリネス州ガルチトレーナの遠隔地の村で、617世帯に食料などを配布した。
Red-tagged Bicol disaster response group continues helping poor communities, BULATLAT, December 7, 2025.
西ネグロス州ヒママイラン市で、同市在住のリト・パチェコ(25歳)が、11月3日に近隣住民に目撃されて以来行方不明になっている。
最後に彼が目撃された場所で戦闘ブーツの跡が発見されており、また、国軍第79歩兵大隊が戦闘作戦を展開していることが目撃されていた。
Farmer in Buenavista remain missing after abduction of 94th Infantry Mandirigma Battalion, Human Rights Advocates Negros, December 10, 2025.


