労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2025年6月6日(金)
ブラカン州プラリデル町裁判所は、6月4日、環境保護活動家ジョニラ・カストロとジェド・タマノに対する名誉毀損訴訟を棄却した。
カストロとタマノは、2023年9月2日に拉致され、9月19日にNTF-ELCAC主催の記者会見に姿を現した。この時、NTF-ELCACは2人を「反乱軍の投降者 」として世間に公表したが、彼らは、国軍兵士によって拉致され、弁護士や家族に面会することも拒否されたと明かした。これを受け、司法省は、カストロとタマノを名誉棄損で告発した。
Court junks defamation case against 2 environmental defenders, Bulatlat, June 6, 2025.
◆2025年6月9日(月)
人権擁護団体カラパタンは、東ネグロス州ギフルガン市における国軍第62歩兵大隊による一連の暴力を非難した。
2025年5月15日、サンダヤオ村で、国軍兵士が農民アラン・ガルデの自宅に現れ彼を尋問し、NPAの支持者であると認めるよう強要した。
同日、同村で、同大隊はロッキー・ファットの自宅にも押し入り、重火器を発見したと主張し彼を逮捕しようとした。彼の家族の抵抗によって逮捕は免れたが、国軍は村役場や警察には通報しないようファットらを脅迫した。
また、ビノボハン村のきょうだいビビアノ・ゲモドとヘラリア・バルドックは、でっち上げの反テロ法違反で逮捕状が発行されたと伝えられている。
Rights group denounces recent rights violations in Negros, Karapatan, June 9, 2025.
◆2025年6月10日(火)
6月8日、ボホール州サンミゲル町で、活動家のジョエマル・ポギオが当局によって自宅から連れ去られ、警察に連行された。
Groups raise alarm over arrest of Boholano peasant leader, Rappler, June 10, 2025.
◆2025年6月10日(火)
6月10日、セブ島ラプラプ市で、国際的なアスレチック・アパレル企業であるルルレモン社のスポーツウェアを製造している工場の労働者らが、組合潰しにあったと告発した。
Cebu workers outraged by union busting at Lululemon sportswear factory, Rappler, June 10, 2025.
◆2025年6月10日(火)
4年以上勾留されていたユージン・ユージニオがようやく自由の身となった。
彼は、2021年3月7日に発生した「血の日曜日」事件で逮捕された1人。「血の日曜日」は、南タガログ地方において、国軍と国家警察の合同部隊が9人の活動家を殺害し、5人を逮捕した事件。
国軍などはいまだに説明責任を果たしていない。
Charges dropped vs gov’t employee arrested in 2021 Bloody Sunday, Bulatlat, June 10, 2025.