労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2025年3月18日(火)
ドラッグ戦争の被害者らを支援している人権擁護団体Rise Up for Life and for Rightsが、ドゥテルテ前大統領の逮捕後、国際刑事裁判所へ提訴した被害者遺族らへのヘイトスピーチや脅迫、嫌がらせが急増していると非難した。
Victims’ families, counsel face online harassment following Duterte’s arrest, BULATLAT, March 18, 2025.
◆2025年3月20日(木)
西ネグロス州の社会開発ワーカー フェデリコ・サルヴィリア、ペルラ・ハレコ‐パヴィリア、ダリル・アルバネスが、自分らをでっち上げのテロ資金供与容疑で逮捕した当局の職員や司法省の役人、虚偽の証言をした証人らを提訴する予定であることが明らかになった。
3人に対する容疑は、2025年3月14日に棄却された。
Negros development workers turn the tables after terrorism case dismissal, BRIGADA, March 20, 2025.
Court junks terror financing charges against Negros development workers, BULATLAT, March 22, 2025.
◆2025年3月21日(金)
バゴ市の西ネグロス州地方刑務所(NODJ)から、さらに4人の政治囚が釈放された。2月27日以来、無罪判決や釈放が相次いでいる。
ヒママイラン市出身のレイマーク・キサン(29歳)は、3月18日、2年1か月の勾留の末に釈放された。
つづいて3月20日、クライディ・サベテ(32歳)が、6年2か月の勾留を経て、保釈金を支払い保釈された。サバテは、2019年1月3日にでっち上げの武器不法所持などの容疑で拘束された。彼女は、精神的拷問を受け、身ぐるみを剥がされ、銃を突きつけられてフィリピン共産党軍事部門新人民軍(NPA)のメンバーであることを認めさせられたという。
同様に3月20日、ヒママイラン市出身のケンネス・ナボン(33歳)とジェイソン・ガソン(32歳)も3年9か月に及ぶ勾留の末に釈放された。彼らにかけられていた殺人の容疑は、棄却された。
政治囚を支援するKapatid-Negrosによると、これらの事件は、前ドゥテルテ政権において2018年に創設された地方共産党の武装闘争を終わらせるための国家タスクフォースによって主導された。
Four more political prisoners freed in Negros, PAGHIMUTAD, March 21, 2025.
◆2025年3月24日(月)
イロイロ市の地方裁判所は、クラリサ・「イェシャ」・ラモス、フェリペ・レヴィ・ゲレ、ダリル・アルバニェス、フェデリコ・サルヴィリア、ペルラ・パビリアに対するテロ資金供与の公訴を棄却した。
5人は2023年に告発された。
Iloilo court dismisses terrorism financing case vs 5 development workers, Rappler, March 24, 2025.
◆2025年3月25日(火)
レイテ社会開発センター(LCDe)の代表ジャスミン・エルサレムが、3月25日、再び「テロ資金供与」の罪に問われることとなった。この事件は2024年12月に棄却されたが、犯罪捜査・探知グループの上訴が認められたのである。
Facebook Page of Altermedya, March 25, 2025.
◆2025年3月26日(水)
捜索・人道支援団は、ルマドの指導者ミシェル・カンポスの所在と、彼女と他3人が令状なしに逮捕されたことを明かした。カンポスは逮捕の5日後(3月11日)に逮捕状を渡された。
カンポスは顎の骨折などがあり、他3人とともに病院に収容されているが、国軍によって監視され、人権擁護団体などとの面会も制限されている。 収容されているカンポスは、「投降」して国軍に「協力」すれば、雇用と兵士の階級を与え、事件を却下すると国軍から言われた。
Humanitarian mission uncovers warrantless arrest of Lumad leader, 3 others, BULATLAT, March 26, 2025.