労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年9月2日（月）
9月1日午前5時頃、ケソン州サン・フランシスコ町で、国家警察が、反テロ法違反の罪に問われている活動家の父親ロベルト・メンドーサを捜査令状も逮捕状もなく逮捕した。ロベルトはサン・フランシスコ警察に勾留されている。
ロベルトの息子リエシェル・メンドーサは、2024年1月に国軍第85歩兵大隊によって反テロ法とテロ資金供与防止法違反の容疑で告訴された。
Cops arrest father of peasant activist in Quezon, Bulatlat, September 2, 2024.
◆2024年9月3日（火）
友人でともにサイクリストであるジェイムス・ハスミネスとフェリックス・サラヴェリア・ジュニアが行方不明になっている。前者は、アルバイ州タバコ市で8月23日に、後者は、同市で8月28日に拉致されたと想定されている。
ハスミネスとサラヴェリアは長年にわたる活動家で、前者はフィリピン民族民主戦線（NDF）の和平コンサルタントの弟である。人権擁護団体は、マルコスJr.大統領政権下における強制失踪の14人目と15人目の犠牲者として彼らを数えている。
Fathers, both cyclists, are 14th and 15th desaparecidos under Marcos Jr., Rappler, September 3, 2024.
Cyclists, advocates, family call in unison: Surface Felix Salaveria, Bulatlat, September 5, 2024.
◆2024年9月3日（火）
かつてのドラッグ戦争の「申し子」ジョヴィ・エスぺニド中佐が、ロナルド・デラ・ロサ上院議員がドラッグ戦争における殺人に関与していると証言した。
エスぺニドは、オサミス警察のトップに任命された際に、殺害を含むあらゆる手段を使ってパロヒノッグのドラッグ組織を解体するようデラ・ロサから命じられたと述べた。
‘DDS cops’ flourished under Duterte, but now being probed under Marcos, Rappler, September 3, 2024.
◆2024年9月4日（水）
下院のドラッグ戦争に関する調査の中で、ドゥテルテ前大統領のもとで実行された超法規的殺害に関する詳細が明らかになってきている。
9月4日の下院4人委員会では、矯正局上級監督官のジェラルド・パディリアが、ダバオでの3人の中国人麻薬王殺害疑惑に干渉しないよう、退役したロイナ・ガルマ警察大佐に脅迫されたと主張した。
パディリアもガルマも、ドゥテルテと共に3人の中国人麻薬王殺害と結び付けられている。また、ガルマは、ドゥテルテと近い関係にあるとして知られ、フィリピン慈善懸賞事務局（PCSO）の元事務局長でもあった。
ガルマの名前は、レオポルド・タン・ジュニア（囚人）やジミー・フェルタレッサ（元警官、囚人）らの証言においても言及されている。タンは、アーサー・ナルソリス（警官）が彼に中国人殺害を指示したと証言。フェルタレッサは、ガルマが彼を刑務所に訪問し、中国人麻薬王に対する作戦について告げたと主張。
Ex-Davao prison chief: Duterte cop threatened me not to intervene in drug lord killing, Rappler, September 4, 2024.
◆2024年9月5日（木）
9月3日に、マロロス市地方裁判所第12支部 ジュリー・マーキュリオ裁判長が、34人の進歩的活動家にかけられたテロ容疑に対し無罪判決を下した。
34人の活動家らは、2023年10月8日に発生した反乱軍とフィリピン国軍第84歩兵大隊との遭遇戦に関与しているとして告訴された。この遭遇戦において、シャー・ネルソン・カサユラン一等兵が死亡した。
ブラカン裁判所は、検察が提出した証拠は、34人が現場にいて武器を所持していたと示すには不十分であると述べた。
34 activists acquitted in anti-terror law case, Rappler, September 5, 2024.
◆2024年9月8日（日）
労働組合メンバーの活動家ウイリアム・ラリオサが、ブキドノン州ケソン市で国軍第48歩兵大隊の兵士によって連れ去られてから5か月が経過した。
彼の居場所、生死についても、いまだ不明である。
5 months and counting, William Lariosa remains missing, Bulatlat, September 8, 2024.
◆2024年9月12日（木）
放送作家で環境保護活動家のジェリー・オルテガが殺害された事件（2011年1月24日）の首謀者として、ジョエル・レイエス前パラワン州知事が逮捕された。
オルテガは、鉱山開発に反対する活動家として、また、公的資金の不正使用疑惑のあるプロジェクトに対する批判的な報道で知られていた。
Alleged mastermind of 2011 killing of journalist surrenders, Bulatlat,September 12, 2024.
