労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2024年2月15日(木)
2月13日、西ネグロス州サンカルロス市の地区拘置所において、ペルティニサ・ジェレウラ・チャリタが拘置所内で武器不法所持の容疑で逮捕された。
ペルティサは娘や孫と共に、2019年9月に他7人の活動家と共に逮捕され勾留されている夫レオンの面会に来ていた。
人権擁護団体カラパタンは、拘置所におけるセキュリティチェックが厳しいことは周知のことであり、あえてそこに武器を持ち込むとは考えにくいと述べた。また、カラパタンは、ペルティサが今年1月に国連特別報告者と面会したことがこの逮捕に関連しており、これは政治囚家族に対する新しい嫌がらせの「手口」だと非難している。
CHR asked to probe ‘tanim-baril’ incident in Negros Occidental jail, MANILA BULLETIN, February 15, 2024.
◆2024年2月20日(火)
ブラカン州の市裁判所は、国軍に対する名誉棄損に関し、環境保護活動家のジェド・タマノとジョニラ・カストロの逮捕状を2月2日付けで送達した。両者に設定された保釈金はそれぞれ1万8000ペソで、有罪が確定した場合、6か月以下の禁固刑に処される可能性がある。
タマノとカストロは、2023年9月に2人が拉致されたと報道された数週間後に、国軍などが開いた記者会見の場に姿を現した。その会見の席で、両者は、国軍などによる「2人は自主的に投降した」という主張に反し、「自分たちは国軍によって拉致された」と主張した。
Arrest warrant for Castro, Tamano served, Philstar.com, February 20, 2024.
◆2024年2月23日(金)
バタンガス州セント・トマスで、アパートで、5人以上の男がホセ・マリー・エスティリアを拉致した。犯人は全員私服で、法的な書類を一切持っていなかった。
ビコールを守れ!攻撃阻止ネットワーク(Defend Bicol Stop The Attacks Network)によると、この拉致は国軍第22歩兵大隊、第59歩兵大隊、セント・トマス警察バタンガス支部の合同部隊によって実行された。
拉致されたエスティリアの弟ジーンは、農民団体アミハンのソルソゴン支部メンバーである。ジーンが兄の拉致事件を記録するために出頭したところ、ジーンも逮捕状に入っていると警官からデータを見せられた。だが、ジーンは、その事件はすでに却下されているという書類を提示した。
ALERT: SURFACE JOSE MARIE ESTILLER!, Facebook page of Defend Bicol Stop The Attacks Network, February 23, 2024.
◆2024年2月24日(土)
フィリピン新民族主義者同盟バヤン(左派系諸団体連合)が、ラグナ州やカビテ州において、エドサ革命記念日を前に国家警察などによる監視や嫌がらせが報告されていると注意喚起した。
ALERT: A DAY BEFORE EDSA COMMEMORATION, STATE SURVEILLANCE AND HARASSMENT OBSERVED IN COMMUNITIES, Facebook page of Bagong Alyansang Makabayan Timog Katagalugan, February 24, 2024.
◆2024年2月25日(日)
フィリピン大学ビサヤ校の学生、EDSAピープルパワー革命(エドサ革命)第38回記念式典代表団がイロイロ市に向かう途中、ギンバル町やティグバウアン町などに設けられた検問所で職務質問のために止められ、同意なしに写真を撮られた。
Facebook page of Panay Today, February 24, 2024.
◆2024年2月25日(日)
ロスバニョス警察が、エドサ革命第38回記念式典のためにカマイニランに向かうバヤン南カタガルガン代表団を阻止。検問所で、明確な違反も示されないまま、30分間足止めされている。
ALERT!, Facebook page of Bagong Alyansang Makabayan Timog Katagalugan, February 24, 2024.
◆2024年2月25日(日)
2月23日、ボホール州ビラールで、人権擁護団体カラパタン中央ビサヤ支部の元現地調査員ハンナ・セシスタ弁護士ら5人が国軍によって殺害された。
国軍は、2時間45分に及ぶ銃撃戦の末に5 人のテロリストを殺害することに成功したと発表した。しかし、カラパタン中部ビサヤ支部は、5人は同日、国軍によって生きたまま声をかけられており、そのうち一人が半裸の状態で国軍に連行されるところが写真に残っているとし、国軍の主張に疑問を呈している。
また、25日、全国人民弁護士連合(NUPL)セブ支部は、目撃者から受けた報告と国軍の主張には食い違いがあり、国際人道法違反の可能性があると発表した。NUPLセブ支部によれば、いくつかの証言から遭遇戦は発生しておらず、また、5人は滞在していた家から出るよう指示され、男性4人はシャツを脱がされた上にセシスタ弁護士とともに泥の中で転がるよう強要された。目撃者らは国軍に対し、非人道的な行為をやめるよう懇願したが無駄だったと語ったという。
UPHOLD AND RESPECT INTERNATIONAL HUMANITARIAN LAW! INVESTIGATE THE KILLING OF BILAR 5!, Facebook page of KARAPATAN- Central Visayas, February 24, 2024.
𝐍𝐏𝐀 𝐓𝐞𝐫𝐫𝐨𝐫𝐢𝐬𝐭 𝐓𝐨𝐩 𝐋𝐞𝐚𝐝𝐞𝐫 𝐊𝐢𝐥𝐥𝐞𝐝 𝐢𝐧 𝐀𝐫𝐦𝐞𝐝 𝐂𝐥𝐚𝐬𝐡 𝐢𝐧 𝐁𝐨𝐡𝐨𝐥, Facebook page of 𝟑𝟎𝟐𝐍𝐃 𝐈𝐍𝐅𝐀𝐍𝐓𝐑𝐘 “𝐀𝐂𝐇𝐈𝐄𝐕𝐄𝐑” 𝐁𝐑𝐈𝐆𝐀𝐃𝐄, 𝟑𝐈𝐃, 𝐏𝐀, February 23, 2024.
Press Release, Facebook page of National Union of Peoples’ Lawyers – Cebu Chapter, February 25, 2024.