労働団体や人権活動家、ジャーナリストらを標的とした殺害、拉致、逮捕・勾留などの事件を、7日から10日ごとにまとめて時系列でお知らせします。事件の詳細については、出典をご覧ください。
◆2023年9月12日(火)
国家人権委員会は、2023年の村会議員選挙運動期間が始まる前からすでに暴力事件が連続して発生していることに対して、懸念を示した。
国内各地で、少なくとも4件の選挙候補者殺害事件などが発生している。
Killings of BSKE hopefuls before start of campaign period alarm CHR, Philstar.com, September 12, 2023.
◆2023年9月12日(火)
ノーベル平和賞受賞者で、ニュースサイト「ラップラー」最高経営責任者のマリア・レッサとラップラー・ホールディングス・コーポレーション(RHC)の脱税容疑について無罪判決が下された。
Nobel laureate Maria Ressa, Rappler acquitted of tax evasion, Rappler, September 12, 2023.
◆2023年9月15日(金)
2023年9月14日、アブラ州バンゲット町にある自宅前に駐車した車両の中で、マリア・サニアタ・リウリワ・ゴンザレス・アルザテ弁護士が殺害された。
全国人民弁護士連合(NUPL)は、経済的に恵まれない人びとや疎外された人びとに尽くした法曹界の同僚を失ったことを悼み、遺族がアルザテ弁護士の奉仕の精神を他の人びとが受け継ぐよう呼びかけたことに賛同の意を示した。
DOJ, law groups condemn ‘heinous killing’ of Abra lawyer, Rappler, September 15, 2023.
◆2023年9月15日(金)
国家安全保障会議のジョナサン・マラヤ事務局長補佐が、記者会見において、バターン州で行方不明になった環境活動家のジョニラ・カストロとジェド・タマノは、国軍の保護下にあり「無事である」と述べた。
マラヤ事務局長補佐は、2人は拉致されたのではなく、自由意志で運動から離れたと述べた。ジョニラとジェドの宣誓供述書によれば、2人は共産主義組織から離脱する方法を模索しており、無名の人物に助けを求めたという。
他方、人権擁護団体や教会関係者などによる事実確認調査の報告書によれば、複数の目撃者が、逃げようとしている2人が無理やり灰色の車両に押し込まれたと証言し、助けようとした人物は見張り役に脅迫されたと述べている。
2 missing activists now ‘safe and sound’ with authorities – NSC official, Rappler, September 15, 2023.
A mother’s appeal: Ibalik ’nyo na ang anak ko, Rappler, September 9, 2023.
◆2023年9月16日(土)
環境保護団体や人権擁護団体などが、「環境活動家のジョニラ・カストロとジェド・タマノが自由意志で投降した」というNTF-ELCACなどの主張は意味をなさないと非難した。
環境団体などは、ジョニラとジェドがわざわざ 、「アテ(年上の女性に使われる呼称)」に助けを求め、遠回しに自首したという主張はまったく不可解だと指摘する。2022年以来、ジャスティン・グティエレスという名の国軍兵士が、ブラカン州にあるジョニラの実家をしばしば訪れ、「汚名を晴らす」よう「説得」しており、ジョニラが「自首」する場合に備えて母親に電話番号まで伝えていたという。
さらに、公開された防犯カメラの映像には、「アテ」も2人が車に乗り込む姿も映っていない。
Groups cite ‘inconsistencies’ in alleged surrender of 2 activists, Philstar.com, September 16, 2023.
◆2023年9月16日(土)
2023年9月15日、西ネグロス州シパライ市で、農民のオーガナイザー ベア・ロペス(26歳)とトライシカル(バイクに客席を取り付けた3輪の乗り物)運転手ピーター・アグラバンテが拉致された。2人は、白いバンに停車させられ、覆面をした武装集団によって無理やり車に押し込まれ連れ去られた。
JUST IN: Peasant Organizer and Tricycle Driver Abducted in Sipalay City, Facebook page of Paghimutad – Negros Island Alternative Media, September 16, 2023.