【25日=東京】日本軍「慰安婦」にされた被害女性と支援者によって組織された人権組織「Lila Pilipina(リラ・ピリピーナ)」は、8月14日、終戦記念日にあたり次のような声明をフェースブックに発表しました。
2021年8月14日
― フィリピンの日本軍「慰安婦」に対する支援と認識の呼びかけ
リラ・ピリピーナは、76回目を迎える第二次世界大戦の終戦を記念して、日本軍「慰安婦」問題を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」プログラムに登録する現在の取り組みを支援するよう、フィリピン政府に呼びかけています。
第二次世界大戦の終戦から76年が経ちましたが、家政婦奴隷や性奴隷として日本帝国陸軍の兵士に仕えさせられた数百人、おそらく数千人のフィリピン人女性に対しての正義がなされておらず、日本が戦争犯罪の償いを拒否し続けているため、戦時中に被ったトラウマからの我が国の癒しは未だ不完全なままです。
マリア・ローザ・ヘンソンが初めてフィリピン人日本軍「慰安婦」として声をあげて29年が経ちましたが、戦時中における日本の軍事的な性奴隷制の犠牲者であるフィリピン人女性は、日本政府とフィリピン政府のどちらの政府からも未だ支持も認識もされていません。このように、多くの犠牲者は正義を見ることなく亡くなり、フィリピン政府は日本軍「慰安婦」の窮状を無視し続けています。
ドゥテルテ政権の実施する旗艦プロジェクトに対して行われた日本の政府開発援助は、フィリピン政府を日本政府に対して従順にしました。フィリピン政府は、恥知らずにも、戦争中における日本の残虐行為に関する全ての記念碑、特に2018年にロハス通りに建てられた2つの日本軍「慰安婦」像とラグナ州サンペドロの私有地にあるそのレプリカを排除するという日本政府の要求に従ったのです。
現在、リラ・ピリピーナは、日本軍「慰安婦」に関する資料をユネスコへ共同申請するための14人からなる国際委員会(ICJN)のメンバーです。 ICJNがノミネートした資料は、韓国、日本、中国、台湾、オランダ、フィリピン、インドネシア、東ティモールを含む8か国から集められたものであり、日本の「慰安婦」の運営システムを説明する2744の歴史的資料と被害者の証言で構成されています。 2017年2月、ユネスコはこれらの文書を「ユニークでかけがえのないもの」と見なしました。しかし、日本軍「慰安婦」が強制的な奴隷制度であったことに反証するとされる6つの資料を提出した日本の右翼グループの参加により、ノミネートのプロセスは遅れることとなりました。ユネスコは、双方の対話を求めました。しかし、ICJNが参加の意思を表明しているにもかかわらず、その対話はまだ行われていません。
〈Source〉
リラ・フィリピーナのfacebook, Aug. 14, 2021.